鶴岡・西目 土砂災害 発生から11カ月避難指示解除 観測機器、警報装置運用を開始
昨年の大みそかに発生した鶴岡市西目地区の土砂災害について、鶴岡市は28日午後5時をもって避難中の4世帯13人に対する避難指示を解除した。現場付近に観測機器と警報装置が設置され、運用を開始したことなどに伴う対応。皆川治市長は「本格的な降雪を前に解除できた。関係者の尽力に感謝したい」と述べた。
同日、市役所で開かれた市災害対策本部第13回会議で避難指定解除を決定した。会議では県庄内総合支庁の村山朋也支所長が西目地区の地滑り対策工事について「避難世帯の上方にある斜面の掘削工事が先月27日まで終わり、ひずみ計と地下水位計を今月22日まで設置完了した」と説明した。
現場斜面に設置された警報装置はひずみ計と連携し、ひずみ計のパイプの曲がり、たわみを基に計測。ひずみの度合いによって「警戒」と「避難」の2段階で通知する。警報装置が作動した場合、「警報」通知段階で市は災害警戒本部を立ち上げる。ひずみが基準値を下回る時間が数時間続いた時点で警戒を解除する。
また、「避難」通知が発生した際、市は災害対策本部を設置し避難指示を発令し斜面下部の居住世帯の安否確認を行い、対象世帯は避難所へ移る。いずれも担当部署の市職員などへメールで通知され、「避難」の場合は現地でサイレンやパトランプが作動する。
皆川市長は「掘削が完了した箇所だけで約1万6000立方メートルに及ぶ大量の土砂を搬出しなければならず、安全確保のため避難指定の解除に一定の時間がかかった」と振り返るとともに、「今後は避難者が日常へ戻っていくためのサポートが必要。丸1年が経過する今年の大みそかは現地に伺いたいと考えている」と述べた。
一方、災害現場付近を通る県道、市道の通行止めの規制については、残った箇所の工事や土砂搬出などの状況を見ながら県と市が解除の時期を検討する方針。

斜面のひずみなどを測る観測装置=県庄内総合支庁提供
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