柳澤寿男さん指揮、世界平和願う BCOコンサート 長野県下諏訪町

国・民族・宗教を超えた平和を願い、渾身の演奏を表現した指揮者の柳澤寿男さん(前列右から2人目)とBCO団員ら
民族紛争のあった旧ユーゴスラビア地域の演奏家らでつくる民族混成のバルカン室内管弦楽団(BCO)による「ワールド・ピース・コンサート2023」が27日夜、長野県下諏訪町の下諏訪総合文化センターで開かれた。同楽団設立者で、音楽監督を務める同町出身の指揮者、柳澤寿男さん(52)=東京都=が指揮を務めた。コロナ禍を経て、4年ぶりとなる来日ツアーの一環。音楽を通して、国・民族・宗教を超え、地球上の全員が世界市民-とする平和を願うメッセージを届けた。
柳澤さんは2007年にバルカン半島(特に旧ユーゴスラビア)の民族共栄を願ってBCOを設立。09年にはコソボ紛争後初となる民族混成オーケストラによる歴史的コンサートをコソボ北部の地で実現した。15年からは毎年、ワールド・ピース・コンサートを世界各地で重ねている。
第1部は、尾高尚忠の「フルート協奏曲作品30a」で開幕。柳澤さんの活動に賛同し、共演は4回目となる龍角散社長の藤井隆太さんがフルートを奏でた。続いて、同楽団が得意とするドボルザークの「弦楽セレナーデ ホ長調作品22」を届けた。
第2部は、日本人演奏家も加えた総勢約60人の演奏となり、千夜一夜物語の世界を表現したリムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」を表現した。アンコールではコソボの作曲家ベチリの楽曲を披露。会場を埋めた約700人の観客から惜しみない拍手が贈られた。
柳澤さんは取材に、現在も世界各地で続く戦争を念頭に「近隣諸国との問題は日本も例外ではない。コンサートを通じて隣人との共存共栄を考えるきっかけになればうれしい」と話した。
コンサートを鑑賞した下諏訪向陽高校(同町)吹奏楽部1年の生徒(16)は「紛争があっても音楽には人と人をつなぐ力があると感じた」と共感していた。
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