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伝統工法で修復作業 間近に 史跡「旧鐙屋」ワークショップ 組み立て体験も 町屋造り理解深める

 耐震補強と併せて大規模な修復工事のため2020年10月から休館している酒田市の国指定史跡「旧鐙屋(あぶみや)」で23日、ワークショップ「旧鐙屋を作ろう」が開かれ、参加した親子連れが施工に従事する大工の技術を間近で見学するとともに、組み立て作業を体験。町屋造りの構造に理解を深め、木の持つ素晴らしさに触れた。

 鐙屋は江戸初期の1608年、山形藩主・最上義光から屋号を与えられ、寛永年間(1624―44年)には酒田町年寄役となり、酒田三十六人衆の筆頭にも数えられた。繁栄ぶりは井原西鶴「日本永代蔵」に「北の国一番の米の買入れ、惣左衛門といふ名をしらざるはなし」と紹介された。

 現在の建物は1845年4月の「甘鯛火事」で被災後、再建されたもの。野地板の上に杉皮を敷き、それを石で押さえた「石置杉皮杉葺屋根」は風が強い風土に根差した、酒田の典型的な町屋造りとされる。1984年5月に国史跡に指定された。86年には所有者の鐙谷家から市が土地・建物を取得し、翌年から一般公開。日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落」のストーリー構成文化財の一つに名を連ねる。

 90年度から8カ年をかけて建物全体の大規模改修を実施。前回の改修から20年余が経過し、専門家から震度5以上の地震で倒壊する可能性が指摘されている上、2019年6月の本県沖地震では柱や梁(はり)に亀裂が入った。今回の大規模改修では、傷みが激しい屋根全面約700平方メートルをふき替え。さらに屋根の軽量化、土壁の一部構造用合板置き換え、基礎の新設、柱の折損防止措置といった耐震補強を施している。一般公開の再開は26年中を見込む。

 ワークショップは旧鐙屋に理解を深めてもらおうと、市が初めて企画。この日は庄内地域一円から親子5組13人が参加、施工を担う地元の仲條建設(門田)とモトタテ(宮海)の社員たちが講師を務めた。富樫憲人モトタテ社長が最初、くぎなどを使わずに木と木を接合させる「継手」「仕口(しくち)」を紹介し、子どもたちだけでなく、お父さん、お母さんもパズルのような伝統工法に目を輝かせていた。

 また、カンナを使ってヒノキ材を削る体験では、社員から「手ではなく、腰ごと引く感じで」などと指導を受け、周囲に木が持つ柔らかな芳香を漂わせていた。父母と共に参加した鶴岡市の上野龍明君(11)=朝暘三小6年=は「世界の建築物に興味があり、工事前に一度だけ入ったことがある。カンナ掛けは初めての体験で、軽々と削る職人さんはすごいと思った」と話した。

 主催した市文化政策課によると、来年2月には屋根のふき替え作業に関するワークショップを予定しているという。

社員たちの指導でカンナ掛けに挑戦する子どもたち

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