藩校サミット 東京文京大会 藩校の精神 人・まちづくりに生かす 旧庄内藩主 酒井さんら全国の当主集う
第20回全国藩校サミット文京大会が18日、東京都文京区の文京シビックホールで開かれた。庄内からは旧庄内藩主酒井家18代当主の酒井忠久さん(致道博物館名誉館長、日本美術刀剣保存協会長)、致道館文化振興会議(会長・橋本政之荘内日報社社長)の役員・会員が参加、藩校教育の伝統や精神を現代の人づくりやまちづくりに生かす思いを新たにした。
藩校サミットは2002年に東京・湯島聖堂で全国から16藩校が参加して第1回が開かれ、一般社団法人漢字文化振興協会などが毎年、藩校ゆかりの地で開いている。07年には庄内藩校「致道館」のある鶴岡市で第6回大会が開かれた。その後、東日本大震災で見送られた年もあり、20回記念大会は第1回の湯島聖堂がある文京区で21年目の開催となった。全国から徳川宗家をはじめ旧藩51藩の当主らと40藩校の関係者ら合わせて約1200人が参加した。

酒井さん(中央)ら全国から集まった“藩主”一人一人が紹介された
式典では参加藩が北から紹介され、山形県からは庄内藩のほか山形藩、新庄藩、米沢藩が参加。酒井さんら当代当主ら51人が紹介された後、代表して徳川宗家19代当主で大会会長の徳川家広さんが「世界で争いがある中で、日本が先進国の中でも最も恵まれているのは、江戸時代後期の教育のたまもの。漢籍に学んだ藩校の実績を(藩校サミットで)検証することは平和な未来への第一歩になる。藩校教育は今の日本のバックボーン・背骨になっている」とあいさつした。
藩校活動の紹介では、サミット式典前に開かれた藩校会議で昌平坂学問所(江戸幕府)、致道館など3校の発表が紹介され、藩校名が現代の高校名にも使われ「藩校教育そのものも引き継がれているようだ」とされた。
大会宣言では「藩校が育んだ人材によって、わが国の平和と発展が築かれた。平和で豊かな未来のために、漢字文化の素晴らしさを世界に向けて発信」など日本語と英語で発表された。
最後に、次期大会開催地の盛岡藩(岩手県)に引き継ぎ書が手渡された。
致道館文化振興会議の橋本会長は「各地の藩校がその土地、その時代を担う人材を育てたことを改めて学んだ。来春、鶴岡市に開校する県立中高一貫校の名称は『致道館』。かつての藩校教育の精神も引き継いでいってほしい」と話した。

旧庄内藩主家18代当主の酒井忠久さん(前列右から3人目)を囲む庄内からの参加者
関連記事
鈴木亜由子選手が一日警察署長
鈴木亜由子選手は24日、豊橋署の一日警察署長となり、豊橋市中野町の「豊橋南郵便局」で高齢者に特殊詐欺の手口や対策を指導した。 委嘱式で竹村賢二署長から委嘱状が渡され、敬礼ポーズをとった。「...
シェルター収容は800人に 新総合体育館 対象は誘導の行政職員など 市議..
開会中の市議会(平良敏夫議長)3月定例会は24日、一般質問5日目が行われた。このうち上里樹氏は、新総合体育館の地下に整備を進める特定臨時避難施設(シェルター)について質問。市はこれまで4500人の...
能代市二ツ井町のさとうボデー、第三者に事業承継 商工会などが全面支援
能代市二ツ井町下野の自動車板金・塗装・修理を手掛ける「さとうボデー」(佐藤正人代表)が、第三者に事業を継承することになった。経営者の高齢化による後継者不足が大きな課題となる地域にあって親族、...