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ヤマネコを放獣 52日間の保護飼育で回復 環境省西表野生生物保護センター

放獣されたイリオモテヤマネコ。右耳の深い切れ込みと混濁した右目が特徴=10月26日(環境省西表自然保護官事務所提供)

 環境省西表野生生物保護センターは9日、ことし9月19日に西表島東部の美原集落内で保護したイリオモテヤマネコを美原地区の森林内で放獣した。

 放獣されたイリオモテヤマネコはメスの成獣で、保護時の体重は1・95㌔とやせ細っていた。

 検査の結果、左側の口唇横に化膿した傷、左側後ろ足の指の骨の露出、目の角膜炎や角結膜炎があることが分かった。幼獣に見間違うほどの痩せやけがの原因は不明。

 NPO法人どうぶつたちの病院沖縄の獣医師らによる治療とイリオモテヤマネコ保護増殖検討委員の助言を受けながら同センターでの52日間の保護飼育を経て順調に回復。体重も3・55㌔まで増えたことから野生復帰となった。

 今後、集落付近や道路に現れる可能性もあることから、同センターでは「右耳に深い切れ込みがあり、右目が混濁しているヤマネコを見かけたら西表野生生物保護センターに連絡してほしい」と協力を呼び掛けている。

 弱っているイリオモテヤマネコは家禽など捕まえやすい動物を狙いに来ることがあることから「飼育されている動物を守るためにも、小屋などの飼育施設に侵入できる穴がないか確認してほしい。困った点があれば、気軽に相談してほしい」としている。

 目撃情報や問い合わせは同センター(84―7130)まで。

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