フィルム型太陽電池実証実験 倉庫壁面や屋根に設置 日揮HD 苫小牧
設備製造大手の日揮ホールディングス(日揮HD、横浜市)は2024年2月から、次世代型太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」の実証実験を苫小牧市内で展開する。倉庫・港湾運送業の苫小牧埠頭(海津尚夫社長)が所有する晴海3号倉庫(晴海町)で計画。道内では初の実証実験といい、日揮HDは「実証実験を通じて課題を解決し、社会実装に貢献したい」としている。

重さも軽く、折り曲げられる次世代太陽電池(日揮HD提供)
同太陽電池は、京都大学発のスタートアップ企業、エネコートテクノロジーズ(京都府)が開発。ペロブスカイトという液晶構造で薄くて軽く、折り曲げることができるほか、低照度でも発電できることが特徴。既存のシリコン型太陽光電池に比べて重さは10分の1程度で、建物の壁面などさまざまな場所で発電が可能になると期待されている。
苫小牧埠頭が所有する同倉庫の屋根と壁面の一部に、フィルム型の太陽電池パネル(縦37センチ、横47センチ)を計14枚設置。凸凹した屋根などに貼り、比較用として従来型太陽光パネルも置いた上、温湿度計や発電計などで計測する。発電した電力は実験のみに使い、売電などは行わない。実験期間は来年2月から約1年間を予定している。
苫小牧は季節によって気温変化は幅広いが、道内では比較的雪が少ないため、太陽電池の実証環境に適しているという。また、曇りの日が多いため日照時間は短く、倉庫がある港湾地域は塩害が発生することも、耐久性や発電量を検証するためにはうってつけだ。
カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ)の取り組みに力を入れる苫小牧埠頭は「古い倉庫は耐荷重の問題で、従来型太陽電池は置けないところもある」と説明しつつ、「実験の結果次第で、倉庫やサイロでペロブスカイト太陽電池を使っていきたい」と話している。
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