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人工媒地でイチゴ栽培成功 崎枝代表「島の新たな産業に」 近畿大×石垣プロトタイプ研究会×アースコンシャス

温度管理された室内でLEDの明かりとポリエステル媒地で育つイチゴ=15日午後、石垣市内の同会イチゴラボ

実験栽培室でイチゴの生産に取り組む石垣プロトタイプ研究会の崎枝純夫代表(前)と近畿大学の田中尚道教授(左)、アースコンシャスの青山恭久代表取締役=15日午後、石垣市内の同会イチゴラボ

 石垣市内でイチゴの栽培を目指す石垣プロトタイプ研究会(崎枝純夫氏ら共同代表)は15日、ポリエステルから再生された人工の超軽量媒地と発光ダイオード(LED)照明、自動制御されたかん水・施肥システムを活用した完全室内のイチゴ栽培実験室を公開した。

 ポリエステル媒地を研究する近畿大学の田中尚道教授は「フルスペックの7割程度の実験施設でここまでのものが生産できた。大規模施設で本格的に栽培することも可能だ」と成果を強調。崎枝代表も「手応えを感じた。島内でおいしいイチゴが食べられるよう規模拡大を目指す」と話した。

 ポリエステル媒地は、自治体で集められた古着や縫製工場から排出される裁断くずなど不用となった衣類を再生したもの。無機質で分解されにくいことから耐久性があり、通常の土と比べて重量が10分の1と軽量で永続的な栽培が可能。連作障害となる物質が残留しにくい性質や保水力、通気性などもよく環境負荷の低減が期待される。

 今回の実験栽培室は、窓などもない部屋に空調と一般的なLED照明を備えたもので金属製のラック3段で苗から3品種のイチゴを完全無農薬で栽培した。

 水やりや施肥は自動的に行われ、スマートフォンで監視したり遠隔で操作することも可能だという。

 イチゴは4月から栽培を始め、4カ月後の8月には収穫が可能となった。崎枝代表は「1日の作業時間は1時間程度。管理は全てシステムが行ってくれる。たまに枯れた葉を取り除いたりする程度」と作業効率の良さに驚いたという。

 制御システムの開発とポリエステル媒地を製造するアースコンシャスの青山恭久代表取締役は「毎週土日は休みにすることも可能だし、海外旅行に行くこともできる。これまでの農家の常識を変える」と新たな農業のあり方に自信をのぞかせる。

 同システムは福島県で観葉植物のアンスリウム栽培で実績を積んでおり、田中教授は「1反で年間1千万円売り上げる」と説明。「イチゴならラックを5段積み上げれば年間2千万円程度も期待できる」と説明した。

 同研究会では今後、近畿大学農学部の細川宗孝教授らが開発した糖度が15度程度と従来の1・5倍の糖度を誇る新品種を使い、島内の大規模施設で安定的なイチゴ生産を計画。崎枝代表は「イチゴ狩りができる施設を併設するなど市民に親しんでもらい、ゆくゆくはブランド化し、島の新たな産業に育てていきたい」と意気込みを語った。

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