UBE、来年3月末でANAホテルの営業終了【宇部】

UBE(泉原雅人社長)は13日、来年3月末でのANAクラウンプラザホテル宇部の営業終了と、同ホテルを運営する同社100%子会社のユービーイーホテルズ(桜田隆社長)の解散を発表した。施設の老朽化に伴う維持管理に加えコロナ禍による利用者の落ち込みに伴う業績悪化が大きな要因という。
コロナで業績悪化、譲渡先は未定
ユービーイーホテルズの前身、株式会社宇部全日空ホテルが1982年に設立され、翌年の11月1日に市内で初の本格的都市型ホテルとして開業。市内最大の客室数(140室)を誇り、2011年に現在の名称となった。建物は建築界の権威、村野藤吾の晩年の傑作といわれる。
開業以来40年にわたって市の観光、ビジネスの拠点となり、3階の国際会議場は大規模なパーティー、学会会場などに使用され、市の迎賓館的な役割を担ってきた。
現状のままでは業績の回復が見込めないことを踏まえ、存続の可能性を慎重に検討した上で、営業終了と運営会社の解散を決めた。
ホテル運営の譲渡先については、13日現在、まだ見つかっていない。UBEとしては取引関係先などにアプローチし、譲渡先を探す努力を継続。ユービーイーホテルズは来年6月をめどに解散し、パートとアルバイトを含む従業員110人(9月末現在)の雇用は、市、宇部商工会議所などと連携し、UBEグループとして確保に努める。
今後の営業については、一部レストランの営業時間の変更を除いて通常通り。宿泊は3月31日のチェックアウト分まで、宴会は30日まで。レストランは31日のランチ営業が最後となる。
地元に衝撃、市長ら「大変残念」
市のランドマークともいえるホテルの営業終了に地元は大きな衝撃を受けている。篠﨑圭二市長、宇部商議所の杉下秀幸会頭、宇部観光コンベンション協会の柳田英治会長は連名で「経営上の判断を尊重したいが、苦しいコロナ禍を抜けて動きだした矢先に、街のにぎわいに貢献してきた施設がなくなることは大変残念。関係機関にも働き掛けながら、施設の後利用、観光・宿泊需要の回復と市内経済の活性化に取り組んでいく」とコメントした。
宇部観光料飲組合の明徳親典組合長は「ホテルとしての機能が失われれば、宇部の観光の火が消えてしまう」と危機感を募らせる。宇部旅館ホテル生活衛生同業組合の作村良一組合長は「国際会議場での学会や全国大会の誘致は、周辺ホテルにも大きな波及効果があったので、営業終了は大変残念だし、大きな痛手。運営する会社が見つかり、営業継続になってほしい」と願った。
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