カレーハウスアパッチ(帯広市東11南8)の店先で、何気ない会話を交わしながら、あうんの呼吸で開店準備を進める2人。1人は同店代表の牧野史枝さん(49)、もう1人は牧野さんの幼なじみで、今夏、キッチンカー「アパッチのお友達」を開業した渡辺美幸さん(50)=中札内村。渡辺さんはじっくりコトコト煮込んだルーを車にたっぷり載せると、きょうもアパッチの味を届けるべく、カレーの香りを漂わせながら各地を飛び回っている。

キッチンカー「アパッチのお友達」を開業した渡辺さん(右)と牧野さん
牧野代表「美幸になら店の味任せられる」
2人は小学時代からの旧友で約40年の仲。渡辺さんは同店の前身「スモークレストラン プロコープ」の頃からアパッチの味に慣れ親しんでおり、「学生の頃は大学の帰りに史枝に会うために店に行き、ミニカレーを食べながら何時間もしゃべっていた」と思い出を語る。
アパッチは1991年、帯広市内で創業。藤丸前や大通付近に店を構え、2020年に現店舗に移った。特製ルーは果物やタマネギの甘みが際立ち、幅広い世代に親しまれている。コロナ前は各種イベントにも出店し人気を集めた。
念願の出張販売
20年に牧野さんが前オーナーから経営を引き継いだが、代替わりで忙しい日々が続き、コロナ明けでイベントが再開されても、出張販売まで手が回らずにいた。
体調を崩し、長年勤めていた中札内の道の駅を辞め、昨年11月から同店の厨房(ちゅうぼう)を手伝っていた渡辺さん。牧野さんに「キッチンカーやってみれば? 美幸になら味を任せられるし、うちもいろんな所に届けてくれたら助かる!」と背中を押され、50歳の節目に開業を決意。新規事業者を支援する中札内村の補助金を活用して車を用意した。
2時間で完売も
8月23日に開業。好評で開店2時間ほどで売り切れた日もあったという。「思い出の詰まったカレー。おいしいから、管内外のいろんな人に食べてもらいたい」と、各地のイベント出店にも意欲を見せる渡辺さん。牧野さんは「体調を見ながら、自分のペースで美幸らしく、明るく楽しんでもらえたら」とほほ笑んでいる。それぞれ子育ても一段落し、新たな挑戦に乗り出す2人は、高校生のように無邪気な表情を浮かべている。
<アパッチのお友達>
毎週水曜に同店の駐車場で営業するほか、道の駅なかさつないや渡辺さんの知り合いの企業の駐車場などで営業する予定。アパッチのルーをベースに、枝豆コーンカレー(800円)、エビカレー(900円)などオリジナルトッピングが載った5種類を用意。日替わりのドリンクやデザートも販売する。
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