大学生が事業提案へ 世界遺産登録20周年に向け
フィールドワークで熊野本宮大社の旧社地・大斎原を訪ねる大学生ら(6日、和歌山県田辺市本宮町で)
熊野本宮観光協会と新宮市観光協会、那智勝浦観光機構、県で構成する「熊野三山観光協会」(会長=名渕敬・熊野本宮観光協会長)は、来年迎える「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年に向け、若年層を対象とした記念事業を大学生から提案してもらう取り組みを始めた。5日から大学生が各地でフィールドワークをしており、関係者は、若者ならではのアイデアが寄せられることを期待している。
熊野三山観光協会は熊野地域の観光PRや情報発信をしている団体。来年の20周年を盛り上げたいと、和歌山大学観光学部(和歌山市)と京都産業大学経営学部(京都市)の学生たちに協力を依頼し、フィールドワークをした上で記念事業を提案してもらうことになった。
学生18人が5日から3泊4日の日程で和歌山県新宮市や那智勝浦町、田辺市本宮町に分かれてフィールドワークをしており、本宮町にはこのうち学生6人が来町。6日には熊野本宮語り部の会のメンバーである梅崎奈美江さん(49)の案内で世界遺産である熊野本宮大社や旧社地・大斎原(おおゆのはら)を訪ねたほか、熊野比丘尼が絵解きをしたとされる「熊野観心十界図」などについて教わった。
初めて熊野を訪れたという京都産業大2年の米田早咲さん(19)は「自分が住んでいる大阪とは全然違う環境。星空が美しく、豊かな自然に感動した」。和歌山大1年の大木場柊哉さん(18)も「神聖な場所だと感じ、身が引き締まる思い。この地の良さを多くの人に伝えることができるプランを考えたい」と意気込んだ。
熊野本宮観光協会の森知三事務局長(55)は「普段ここにいる私たちには感じ取れないものを若者の視点で感じていただき、観光振興につながるアイデアを頂けることを期待している」と話していた。
熊野三山観光協会事務局によると、学生たちは三つのグループをつくっており、最終日の8日に各グループがそれぞれ記念事業のアイデアを発表。地元関係者の意見を聞いた上で、2カ月後に改めて事業案を発表してもらい、そのうち一つを採択するという。
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