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長野日報社

小説家・島村利正の資料、整理進む 長野県伊那市高遠町図書館

六川宗弘さん(右)の協力を得て伊那市高遠町図書館で進められている資料整理

 高遠出身の小説家、島村利正(1912~81年)の資料寄託から10年を迎え、長野県伊那市高遠町図書館では草稿や書簡などの分類整理が進んでいる。子息から提供された資料は計5000点以上。島村研究の第一人者で長野吉田高校(長野市)教諭の六川宗弘さん(60)の協力を得ながら、種類や年代ごとの分類、目録作りに取り組んでいる。六川さんは「作家の貴重な資料が生まれ育った土地にあることが大事」とし、保管の必要性を訴えている。

 島村は旧高遠町に生まれ、家業を継ぐのを嫌って16歳で家出。奈良で文学を志した。上京後は糸によりをかける撚糸業に従事しながら作家業を継続。庶民の姿を描いた純度の高い小説を手掛け、1940年には長編「高麗人」が芥川賞候補作品に選ばれた。その後、短編集「青い沼」で平林たい子文学賞、作品集「妙高の秋」で読売文学賞を受賞。40年間の作家活動で長編4作、短編50作を発表したが、その多くが絶版になっている。

 資料の整理は2013年、子息の故嶋村正博さん=東京都=から草稿や書簡、写真など約3750点が寄託されたのを機に、翌14年度からスタート。その後、約2000点の資料も追加提供された。島村宛ての多くの書簡や本人の手紙、幾度となく加筆された草稿など島村研究に役立つ貴重な資料が含まれ、未発表の原稿もあった。

 図書館の関係者と共に分類整理に取り組む六川さんは「多くの書簡から戦前戦後の作家との交流が見えてくる」と指摘。推敲を重ねた直筆の原稿からは「作家としての苦悩や努力が垣間見える」といい、寄託後の研究成果として6編の論文を発表した。

 また島村の作品ついては「風景描写から故郷を大事にしていたことが分かる。常に高遠への思いがあった」と断言。「残された原稿は作家が生きた証し」とし、島村の愛した故郷で資料を整理保存していく意義を強調している。

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