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赤土流出防止 大切さ感じて 対策紹介、VR海中体験も 「土壌保全月間」市役所でイベント

VR体験では沖縄の美しい海と赤土の流出した海を比較した=市役所コミュニティルーム

 土壌保全月間(5月の第3月曜日から30日間)の関連イベントが16日、市役所コミュニティホールで行われた。八重山農林水産振興センターの森英勇センター長は開会のあいさつで「農業生産の基盤となる土壌は、長い年月をかけて作られる。日ごろから土壌流失に留意し、保全に努める必要がある。流出はサンゴ礁などの周辺海域を汚染するなど自然環境に影響を与える。効率的な流出防止対策が必要だ」と述べた。

 イベントでは、赤土流出を防止するために畑の周辺に植えるベチベル(ベチバー)についての動画を上映。土壌の流失を抑えることで畑にまいた肥料が流れ出るのを防ぎ、肥料代などが節約できることや収穫したベチベルは帽子やバッグ、ブレスレットなどクラフト商品の材料に利用されていることなどが紹介された。

 石垣市内では、3年前から海人居酒屋「源」でベチベルを使ったカツオのたたきが人気を博しているほか、「川平焼 凜火」では備前焼のひだすきの技法をベチベルで応用した新たな手法の焼き物を試作している。

 VR(仮想現実)を使った体験では、沖縄のきれいな海と赤土被害を受けた海の違いを体感した。

土壌保全月間に関連するイベントが開催され、赤土流出防止対策などについて学んだ=市役所コミュニティルーム

 会場では、県の赤土流出防止対策の取り組みやベチベルで作った二次利用品なども展示された。

 石垣市赤土等流出防止営農対策地域協議会農業環境コーディネーターの水谷朝子氏は「赤土流出の85%は畑からのものと言われている。石垣島は県内でも赤土が流れやすい地形をしている」としてグリーンベルトなどほ場の赤土流出対策の重要性を訴えた。

 VRを体験した平真小学校1年の野原宙大さん(7)は「海の中の様子がよく分かった。赤土の流れてきた海は汚かった。沖縄のきれいな海が好き」と話した。

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