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巻き貝「ビワカワニナ」の新種発見

発見した新種のホロタイプ標本を手にする松岡館長=同市自然史博物館で

 豊橋市自然史博物館の松岡敬二館長(63)らが、約120万年前~50万年前に堆積した滋賀県大津市の堅田層から巻き貝「ビワカワニナ」の新種5種を発見した。琵琶湖水域に生息するビワカワニナの仲間15種の進化の道筋を知る重要な手掛かりになると期待されている。  新種の種名はラテン語で「トゲがある」を意味するスピヌリフェラのほか、ナカムライ、シュードムルチグラノーサ、コクブエンシス、プシラ。  琵琶湖は古代湖として世界から注目を集め、固有種も多い。淡水貝類の進化をライフワークとして研究する松岡館長もこれまで頻繁に足を運んできた。  堅田層は古琵琶湖層群の上部層で、琵琶湖の前身の堅田湖にたまった地層。1980~2000年代に琵琶湖西岸の堅田層と南部の地下調整池の工事現場から産出した化石を、高知大学の三浦収准教授と協力して調べた。  大きさや模様に加え、クリーニング後の化石をX線で透過して見つけた殻の中の仔貝や、現生のビワカワニナのDNAを調べるなどして新種と分かった。  カワニナはホタル幼虫の餌として知られるが、松岡館長は「身近な生き物だが、単なる餌ではなく、生態や人との関わりに興味を持つきっかけになれば」と話している。  新種発見を記念して、種の基準となるホロタイプ標本など約10点を同博物館自然史スクエア奥で展示している。5月27日まで。

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