豊年祭前に供物づくり 役員や婦人会らがスーマカシ

力を合わせてスーマカシ(あえ物づくり)を行う登野城の女性たち。右が顧問を55年間務めている上地節さん=25日、登野城
ことし1年の五穀豊穣(ほうじょう)の感謝を神にささげるユーヌシュビ(世の首尾)の一環として、登野城字会(石垣久雄会長)は25日、地区内の民家でスーマカシ(あえ物づくり)を行い、役員や婦人会会員、樹見ら32人が神への供物づくりに精を出した。 登野城のスー(あえ物)はイース(ツノマタ)やイヌシャメ(イボグサ)など、8種類の材料を基に作るなど伝統を守っているという。作られたスー(あえ物)は、26日のアサニガイ(朝願い)で神へささげられる。 1962年から55年間、スーマカシ(あえ物づくり)の顧問を務め、多くの地域行事に貢献してきた上地節さん(91)は、ことしで後進に道を譲ることに。 「責任は次の人に交代するが、これからも元気なうちは地域行事を手伝うつもり。私がこうして健康でいられるのも、地域で働いてきたからだと思うし、神に感謝している。次世代も良くやってくれている。このまま続けてほしい」と願った。 後継者の一人、上地美代子さん(80)は「これからも皆で協力してやっていく。先輩方もいるし、心強い」と笑顔で話した。 石垣会長は「皆が集まって力を合わせていて、何とも言えない心地よさがある。行事に向けて住民が一つになる。これが祭りの本質だ」と喜んだ。
関連記事
「子宝の島」で命育む 双子クロウサギを撮影 徳之島で勝廣光さん
鹿児島県奄美市笠利町の自然写真家・勝廣光さん(75)はこのほど、徳之島で国の特別天然記念物アマミノクロウサギの子育てを撮影した。奄美大島で30年以上クロウサギを見守っている勝さんは、「ただカメ...
ライチョウの成鳥3羽を駒ケ岳に移送 来月初旬に放鳥 長野県
中央アルプスで国特別天然記念物ニホンライチョウの生息数を増やす「復活作戦」に取り組む環境省は26日、動物園2施設で飼育されていた中ア生まれのライチョウの野生復帰のため、成鳥3羽(雄2、雌1)を駒...
稲魂招き豊作祈る 「秋名アラセツ行事」4年ぶり制限なし 龍郷町秋名・幾里
稲魂(にゃだま)を招き神々に豊作の祈りをささげる─。鹿児島県龍郷町秋名・幾里地区に伝わるアラセツ(新節)行事の「ショチョガマ」「平瀬マンカイ」が25日、集落の山腹と海岸であった。新型コロナ下以降...
バリアフリーに理解深める 障がい者の不安を体感 南ぬ島石垣空港
バリアフリーに理解を深めてもらおうと講師にバリアフリーネットワーク協議会の親川修代表を招いた「石垣島バリアフリー教室」(沖縄総合事務局主催)が26日、南ぬ島石垣空港で開催された。航空会社や石垣...