北前かすてら開発 日本遺産推進協が認証 北前船と荒波寄港地パッケージに たんばや製菓 酒田
カステラやどら焼きで全国展開している菓子製造業「たんばや製菓」(酒田市飛鳥、佐々木利明社長)は、新商品「北前かすてら」を開発、28日から酒田、鶴岡両市の4カ所で販売を開始した。日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落」構成自治体などで組織する「北前船日本遺産推進協議会」の認証を受けており、佐々木社長は「北前船の歴史と文化の普及に貢献し、庄内銘菓として愛される商品にしたい」と話している。

たんばや製菓が開発した北前船日本遺産推進協議会認証商品「北前かすてら」
同社は1982年、都内で創業。本社工場を87年に庄内町に移転、2013年8月には酒田市飛鳥に再移転した。主力のカステラやどら焼きは、国産の小麦と砂糖を使い、鶏卵は地元契約養鶏場から調達。製造プロセスの機械化や技術基盤の高度化に積極的に取り組む一方で、添加物はなるべく使わない製造方法が高く評価され、県外を中心に販路を拡大している。18年度には市が制定する「新田産業奨励賞」を受けた。
「江戸から明治にかけて『動く総合商社』と称された北前船のたどった歴史の路(みち)をめぐる」をコンセプトに掲げ、約1年の歳月をかけて誕生した同商品は、北海道産の小麦とてんさい含蜜糖(がんみつとう)、庄内産鶏卵を融合させた。「カステラの原材料は砂糖と卵で約7割を占める。味の違いが最も出るのは砂糖の含有量」(佐々木社長)という。しっとりした上品な甘さが特長。
中身同様にこだわったのがパッケージデザイン。荒波を進む勢いある北前船を全面に、無限に広がる波を模した「青海波(せいがいは)」文様、重量感のある色使いで従来品と差別化を図り、箱の側面には「学びのきっかけになれば」との思いから北前船の寄港地を記載している。
28日午前は酒田市の国指定史跡「山居倉庫」内の酒田夢の倶楽、午後からは市役所内で行われた市日本遺産推進協議会本年度総会の席上でそれぞれ試食会が行われ、協議会長を務める丸山至市長は「おいしい。ふるさと納税の返礼品としても扱えるのではないか」と。佐々木社長は「酒田、庄内の名物になるものをとの思いで開発した商品。甘さに加え、こくもある逸品に仕上がった」と話した。

試食会で「北前かすてら」を紹介する佐々木社長(中央)=28日、酒田市役所
「北前かすてら」は個包装5個入りで、1080円(税込み)。同市の酒田夢の倶楽、JR酒田駅、庄内空港、鶴岡市の庄内観光物産館で扱っている。問い合わせなどはたんばや製菓=電0234(61)7320=へ。
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