戦時中、避難して授業を受けたガマを見学し、年配者から話を聞く児童ら＝19日、久部良集落東方の山中

　【与那国】久部良小学校（石川恵優校長）の6年生9人が19日、去る大戦で戦場となった沖縄戦について学習。久部良集落東方の山中斜面にあるガマの中に入って当時を体験した。戦時中、島内山中の避難場所「ブナビダヤ」で授業をしたと伝えられる当時のダヤ（洞窟）での暮らしを同行した年配の人から聞いた。

　ガマからは米軍の爆撃機が見えた。20人ほどが本を開いて授業中に爆弾投下で炎上する久部良村が見えたと言う。

　当時の子どもたちは、日課でもあった薪拾いにうっそうと木々が茂る山中を駆け回っていたから山腹の地形や自身の位置をよく分かっていたという。

　ガマの中は背伸びもできないほどの高さ。当時のガマは決して楽しい環境ではなかった。

　上原洸さんは「どんな思いで勉強したのかな。かわいそう」と話し、薄暗いガマの環境で授業を行ったことが信じられない様子。川田穂華さんは「すごく怖い。きょう聞いた話をガマを知らない人たち（後輩たち）に話したい。戦争はしてはいけない」と感想。
（田頭政英通信員）