
湖や対岸も開け、明るくなった伐採後の池之平御座岩遺跡
長野県茅野市郊外の白樺湖畔にある県指定史跡「池之平御座岩遺跡」(1962年指定)は大きな岩が特徴だが、長い歳月を経て樹木が茂り岩も見えなくなったため、地主の柏原財産区と池の平土地改良区は、県や市の補助などを活用して大がかりな伐採整備作業を行った。約75年前に湖が農業用ため池として造られた当時の風景が戻った。財産区と改良区は、一帯で進められている市の環境整備事業とともに、新たな白樺湖の名所になるよう期待している。
同遺跡は湖北岸のほぼ中央から緩傾斜で湖心に突出した安山岩の岩塊群1800平方メートル。1953年に湖の排水口が壊れ、干上がった際、現れた岩穴を調査すると、先土器時代の石器や、縄文早期から晩期にかけての石器、土器、土偶、耳飾り、弥生式土器、須恵器、幣玉、鉄器など、古代から歴史時代に至る遺物も発見された。
幣玉は、この岩を磐座として峠神に旅の安全を祈願したものとされる。また、武田信玄が川中島侵攻の時に岩の上で休憩し軍団を整えたとも伝わる。
場所は観光センターの近くで、間もなく完成する屋外集会施設と湖の間の遊歩道の脇。伐採作業は13~17日に行われ、雑木を含む40~50本を撤去。整備後は、散歩の途中ですぐ目に入り、立ち寄る人も増えている。
群馬県富岡市から訪れた野村宏幸さん(63)、清美さん(65)夫妻は「白樺湖は20代から来ていて、最高ににぎやかだった頃も知っているが、武田信玄が座った岩があるとは知らなかった。歴史を感じます」と話していた。
同センターの篠原啓郎所長(73)は「県史跡ということで伐採をしなかったが、地元で行っていいことが分かり計画した。蓼科山をバックにした新しい写真映えスポットもできた。昔のようににぎわってもらいたい」と願っていた。
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