鹿児島県徳之島町亀徳の上空に出現した二つの巨大なレンズ雲＝８日（提供写真）

　鹿児島県徳之島町亀徳の上空に８日夕、巨大なレンズ雲が二つ出現した。同町亀津の団体職員、富山智代美さんが撮影。写真を見た家族や友人からは「有名アニメに出てきた雲そっくり」「まるで空飛ぶ円盤」などの声が聞かれ、話題を呼んだという。

　富山さんによると、雲が現れたのは午後７時すぎ。友人と亀徳大橋を渡っていた際に気付いた。「橋から海を見下ろすと、たまにウミガメを見つけることがあるので歩きながら探していた。カメはいなかったけど見上げたら上空に面白い形の雲があった」と振り返る。

　普段よく見られる雲と異なり、風に流されず、ほとんど動かず吊（つ）るされているように見えるため「吊るし雲」とも呼ばれる。上空に湿気が多く風の強い日に現れやすいという。

　名瀬測候所統括予報官の森田健一さん（５２）は「山を降りてきた風が波打つように動いてできる。井之川岳の影響と考えられる」と説明。「同時に複数現れるのは珍しいのではないか。雲は条件によってさまざまな形に変化する。興味を持って観察してみてほしい」とも話した。