南ア北部に登山シーズン 北沢峠で長衛祭と開山祭

長衛翁のレリーフに献花し、登山の安全を祈る参加者
南アルプス北部地区に本格的な登山シーズンの到来を告げる第65回長衛祭と同地区の開山祭は17日、長野県伊那市長谷と山梨県南アルプス市境の北沢峠(標高2032メートル)で開いた。山岳関係者ら約30人をはじめ、地元長谷小学校の児童や登山者らが出席。南アルプスの開拓者竹澤長衛(1889~1958年)の遺徳をしのび、登山シーズン中の安全を祈願した。
同市長谷の戸台口と北沢峠を結ぶ市営南ア林道バスの全線運行開始(15日)に合わせて開催。長衛の死後、親交のあった人たちが山小屋「長衛小屋」近くの大岩に設置した長衛のレリーフの前で毎年式典を開いている。開山祭は例年、林道バスの部分運行(戸台口―歌宿)が始まる4月に開いていたが、登山シーズンの本格化に合わせ、長衛祭の併催行事とした。
式典は両市と伊那山の会でつくる実行委員会の主催。長衛翁碑に花を手向け、安全登山に生涯を尽くした長衛を顕彰した。会場では参加者全員で童謡「ふるさと」を斉唱。長谷小学校の6年生を中心とした児童10人が2部合唱「讃歌長谷」を披露し、長衛が愛した南アの山並みに歌声を響かせた。
祭文を読み上げた大会長の白鳥孝伊那市長は「当たり前にこの大自然に親しみ、登山を楽しむことができるのは自然との共存を理念とした長衛翁の先駆的取り組みとその志を引き継ぎ、実践してきた皆さんの尽力のたまもの」と感謝。新型コロナウイルスの5類感染症移行に伴う登山客の増加を見据え「安全の確保、貴重な高山植物の保護活動など素晴らしい自然を後世に継承していくための取り組みに努めていく」と述べた。
青空が広がったこの日は、大勢の登山者が入山。駒ケ岳や仙丈ケ岳を目指し、山歩きを楽しんでいた。唐木眞澄実行委員長は「夏山シーズンといってもまだ梅雨の時期。雨や低温も考えられるのでしっかりとした装備を用意してほしい」と話していた。
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