紅花栽培 庄内で受け継いでいきたい 若手にバトンつなぐ 加藤さん(酒田)から須藤さん(鶴岡) へ
数少ない庄内の紅花生産者として知られる加藤富子さん(77)=酒田市東大町三丁目=が、農業を始めて今年2年目の須藤明里(あかり)さん(28)=鶴岡市切添町=に種を与えて栽培技術を伝えている。今月初め加藤さんの指導を受けて育てた紅花の新芽(若葉)を産直に初出荷したところ、珍しさも手伝って好評を得た。今後は生育をずらして収穫し、11月まで鶴岡市の産直に出す予定。加藤さんは「一般的に紅花は内陸が有名だが、庄内にも根付かせたい。生まれ育った土地から紅花の種をなくさないことが私の願い。若い須藤さんには絶やすことなく頑張ってほしい」とエールを送る。
加藤さんが酒田で紅花を栽培するようになったのは今から15年ほど前。呉服会社に勤めていた頃、展示会で紅花染の美しい反物と出会ったことがきっかけとなった。定年退職後、白鷹町の紅花農家に1年間通い続けて栽培方法を学び、知り合い農家の畑を借りて本格的に栽培を始めた。
加藤さんによると、紅花栽培は例年3月中旬に種をまき10日ほどで芽が出る。新芽の収穫は5月の連休過ぎから。7月下旬に花を咲かせる。今は食育の推進と学校給食の充実を目指す県学校給食会(山形市)に新芽を納めている。そのほかは花や葉を乾燥させた「紅花茶」を作って自宅で楽しんでいるという。もちろん種の自家採取も忘れない。
「私も年だから。若い人に引き継ぎたいという思いが強い。知り合いを通じて野菜の少量多品目栽培に取り組んでいる須藤さんと出会い、どこか運命的なものを感じる」と話す。
加藤さんの気持ちを知った須藤さんは「お願いします」の一つ返事でOK。「感覚的なことを含めて体に染み込ませるまで数年かかると思うが、加藤さんからしっかり教わりたい」と意気込みを見せる。
紅花の新芽はシンプルにおひたしやごまあえ、みそ汁にサッと入れても良し。かき揚げにしてもおいしい。在来野菜など地元の食材にスポットを当てている鶴岡市の加茂水族館・魚匠ダイニング沖海月の須田剛史料理長(47)がこのほど、須藤さんが栽培した新芽を使った御膳を考案。レストランで提供を始めた。
加藤さんと須藤さんの思いは「紅花を庄内で絶やすことなく育て続けること」―。そして庄内から紅花の食文化を発信することだ。
加藤さんは「酒田にいる40代の男性も紅花栽培を始めたが本業が会社勤めなので無理はさせられない。一人でも多く栽培を学ぶ方がいればうれしい。須藤さんから種を受け継いでもらい、私も安心して引退できそう」と笑顔を見せる。庄内産紅花の継承に向けて須藤さんと二人三脚が続く。

「ひとまずバトンを渡せて良かった」と話す加藤さん(左)と紅花の新芽を持つ須藤さん
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