空き店舗でキノコ栽培 IT企業が駒ケ根で

空き店舗を改修したキノコ栽培施設を確認する水口社長(左)
駒ケ根市の中心市街地の空き店舗を活用し、東京のIT企業がキノコ栽培に乗り出すことになった。事業を行うのは、ウェブサイト構築などを手掛けるサイブリッジグループ(水口翼社長)。書店があった空き店舗を改装し、「高機能食品」として注目されるタモギダケを栽培する。今月下旬の稼働開始に向け、準備を進めている。
同社はインターネット関連を柱に、託児所併設型コールセンターや幼児教室、学習塾、飲食店運営などの事業を展開している。全国的に課題とされる中心市街地の空き店舗を活用した地方での事業を検討する中で、タモギダケの機能性と希少性に着目した。
店舗はJR駒ケ根駅前の広小路商店街と銀座商店街が交差する角地。計画では、1階の約120平方メートルに屋内ビニールハウスを設置し、菌床3200床を栽培する。当面は4分の1ほどのスペースで半年間をめどに試験栽培を行い、データを収集。生産環境が整えば本格栽培に移行し、年間15トン余の出荷を目指す。同時に栽培環境の管理や遠隔操作など、IoT技術を使ったハウス栽培のシステム開発も進める。
タモギダケは国内では主に北海道などに自生するヒラタケ科ヒラタケ属のキノコで、明るい黄色が特徴。傘は2~6センチの大きさになる。同社によると、アミノ酸の一種エルゴチオネインやセラミド、ベータグルガンなどを豊富に含み、健康食品として注目されている。
水口社長(34)は「手探りの部分も多いが、順調にいけば特産品化や地元雇用、商店街活性化などで地域に貢献できると思う。空き店舗の活用モデルにもなれば」と意気込む。
広小路商店街振興組合の佐々木正博理事長も「空き店舗でのキノコ栽培は面白い発想。ぜひ地元と一緒に、中心市街地を盛り上げてほしい」と期待している。
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