紀南の自治体から職員続々 大雨被害の海南市を支援
海南市で災害ごみの撤去作業をする田辺市職員(田辺市提供)
6月2日から3日にかけての大雨で大きな被害を受けた和歌山県海南市を支援しようと、紀南の自治体が職員を派遣している。災害ごみの撤去など、復旧に向けた作業に当たった職員は「1週間たってもまだ爪痕が残っており、被害の大きさを実感した」と話している。
海南市では記録的な大雨で河川が氾濫し、1200戸を超える住宅が浸水。県が災害救助法の適用を決定している。
田辺市は海南市からの要請を受け、6日から職員を派遣。9日までに延べ36人が現地入りした。若手職員を中心に家財道具の運び出しなどの支援をしているほか、税務課職員が罹災(りさい)証明発行業務の応援に駆け付けている。
この春入庁したばかりの企画広報課職員、玉置颯大さん(24)は8日、JR海南駅周辺で活動。小雨が降る中、水に漬かって使えなくなってしまった家電やソファ、たんすなどを収集車に運び込んだ。「ガードレールに流れ着いた木が挟まっていたり、駐車場に土砂がたまっていたり。1週間たってもまだ爪痕が残っており、被害の大きさを感じた」と話す。
被災住民とも言葉を交わし、気が引き締まる思いがしたという。「災害対応は初めての経験だったが、市民の生活を支えることが市職員の仕事だということを改めて実感した」と語る。
海南市に派遣する職員を激励する田岡実千年市長(8日、和歌山県新宮市で)
新宮市も6日から、海南市に職員を派遣している。
今のところ今月中旬までに5回に分けて計20人を派遣する計画で、8日には第2陣となる職員4人の出発式を市役所前で開いた。
田岡実千年市長が「海南市長から直々に応援要請があり、よほど困っていると感じたし、人手が足りないと聞いている。災害ごみは重かったり、危険だったりもするので気をつけてしっかり作業をしてほしい。今後の災害のために被害の状況も見てきてほしい」と激励した。
都市建設課の上中克基主任(35)は「被災された方のために、少しでも力になれるよう全力を尽くして頑張りたい」と決意を述べた。
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