「徳の交わり」次世代へ 鹿児島商工会議所 来庄が実現 鶴岡・酒田の会員と交流 絆深める
庄内と縁が深い鹿児島商工会議所(岩崎芳太郎会頭)の一行17人が1日から1泊2日の日程で来庄し、西郷南洲(隆盛)翁と旧庄内藩の菅臥牛(実秀)翁の「徳の交わり」に触れるとともに、鶴岡、酒田両商工会議所の会員との交流・親睦で3商議所の絆を深めた。
戊辰戦争・明治維新150年を機に2018年、鶴岡商議所が鹿児島に研修視察に訪れた。また昨年12月には丸山至酒田市長を団長とする庄内の官民の「庄内の翼」訪問団が鹿児島を訪問するなど、交流を図っている。「西郷ファン、鹿児島ファンが多い、庄内の皆さんの熱いラブコール」(岩崎会頭)を受け、今回の来庄が実現した。
一行は1日昼過ぎ、羽田―庄内便で来庄し、鶴岡市の菅家、致道博物館、旧庄内藩校致道館を視察。菅家では13代当主・秀二さんから旧庄内藩士が編さんした「南洲翁遺訓」、南洲翁が臥牛翁に贈った直筆の書などの説明を受け、致道博物館では旧庄内藩主酒井家第18代当主の酒井忠久館長の案内で南洲翁と庄内の絆について話を聞いた。
菅さん(左)から「南洲翁遺訓」の編さんや南洲翁と臥牛翁の徳の交わりについて説明を受ける鹿児島商議所の一行=1日、鶴岡市・菅家
鶴岡商議所との意見交換会では鹿児島商議所側から▽庄内と鹿児島による相互の観光物産展開催▽鹿児島の学校の庄内への修学旅行▽商議所青年部同士の盟約締結―などが提案され、経済的・人的交流の進展に向け活発な意見が交わされた。2日は酒田市の南洲神社、本間家旧本邸、山居倉庫などを視察した。
3商議所の合同交流会は1日夜、鶴岡市の東京第一ホテル鶴岡で開かれ、約60人が出席。上野雅史鶴岡、加藤聡酒田両商議所会頭が「ようやくお迎えできた」と歓迎のあいさつを述べ、丸山酒田市長、阿部真一鶴岡市副市長が来賓であいさつ。松枝岩根鹿児島市副市長の発声で乾杯し、庄内の地酒と鹿児島の焼酎を酌み交わしながら、和やかに歓談していた。
庄内訪問のあいさつで、岩崎会頭は「西南の役で朝敵とされた大西郷の汚名をそそぎ、再評価のきっかけをつくったのは庄内の皆さん。かつての日本の良さである『徳』が失われつつあるが、150年以上前からの徳の交わりを結ぶ庄内と鹿児島だけでも『徳』を守り孫子の代へとつなぎ、この日本を変えていこう」と熱く呼び掛けていた。
互いの絆を深め合った3商議所合同交流会=1日、鶴岡市・東京第一ホテル鶴岡
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