「ザザムシ」新メニュー開発 上伊那農業高GL3年生 長野県

ザザムシを使って新たなメニュー開発に取り組んだ生徒たち
長野県伊那谷が誇る伝統文化の昆虫食「ザザムシ」を未来に伝える活動を展開する上伊那農業高校(南箕輪村)コミュニティデザイン科グローカルコース(GL)の3年生は23日、新たな味わい方を創出しようと、メニュー開発の講座を同校で開いた。東京で昆虫食を提供する「TAKE‐NOKO」の三浦みちこ店長を講師に、生徒たちは地元らしさや若者受けするザザムシ料理を考案し、調理した。夏に同店で提供する予定で、多くの人に伊那谷の味に親しんでもらおうと工夫を凝らした。
水生昆虫の養殖や漁体験に取り組むGLは、ザザムシふりかけ「ZAZATEIN(ザザテイン)」を2021年度に開発して商品化。「TAKE‐NOKO」の運営会社はその加工を手掛けており、8月ごろにGLの取り組みを紹介しながら、生徒が考えたふりかけに次ぐ新たなメニューを提供するイベントを同店で計画している。
この日はボイルしたザザムシを基本に使用。生徒たちは四つの班に分かれてアイデアを出し合い、五平餅とガレット、タンタンメン、アイスクリームの4種類のレシピ作りに挑戦した。
すりつぶしてクルミと混ぜて味付けしたり、ひき肉と一緒に炒めて具材にしたりするなど、佃煮として食べることが多いザザムシが斬新な発想でさまざまなメニューに変化。GLの取り組みに協力するザザムシ漁師の中村昭彦さんらも参加して試食した。
予想外に虫の姿がタンタンメンとマッチしたことに気付いた生徒は「味もザザムシの香ばしさがありおいしい。虫に抵抗がある人もいると思うが、身近なメニューと組み合わせてもいいかも。幅広い料理に使えそう」と手応えを話した。
「大切な文化を新しい取り組みにつなげる一つのきっかけになれば」と三浦さん。中村さんも「若い発想と感覚で面白い」と熱心に取り組む生徒たちの姿に目を細めた。
関連記事
後輩に、想いよ届け 統合中の建設記念で催し
和歌山県印南町教育委員会は12日、同町印南の宇杉ヶ原団地周辺に造成中の統合中学校建設予定地で、統合中学校建設記念イベント「4校の伝統を新設校へつなぐ 石に想(おも)いを込めて」を開いた。統合す...
細部まで精巧「船の模型」 苫信本店で展示 苫小牧
苫小牧信用金庫本店(表町)でロビー展「船の模型作品展」が開かれている。模型の制作者は、昨年11月に亡くなった中村五郎さん(享年95)と、娘婿の澤谷佳典さん(69)=市花園町=。木材で細部まで精巧...
帯広大谷短大の山本さんレシピ地域賞 全国「チー1グランプリ」
長いもとゆりねと納豆の春巻き チーズとご当地食材を使った全国料理レシピコンテスト「第13回チー1グランプリ」(チーズ普及協議会など主催)で、帯広大谷短期大学(大森行雄学長)地域共生学科食と栄養...
地元役者の名演 見えにファン沸く 黒森歌舞伎 酒田 正月公演
酒田市黒森地区に伝わる農民芸能「黒森歌舞伎」(県指定無形民俗文化財)の正月公演が15、17の両日、同地区の日枝神社常設演舞場で上演され、地元住民のほか県内外から大勢の歌舞伎ファンが訪れ、地元役者の名...