札幌高校生、ロケット世界一へ 奄美大島で試作機打ち上げ 地元の野村特殊工業協力

試作ロケットを打ち上げた札幌旭丘高校サイエンス部の部員ら。後列左が大畑真人顧問、同右が打ち上げをサポートする野村真仁さん=20日、龍郷町
「3、2、1…点火!」鋭い音を響かせ、ロケットは一気に上空へ―。北海道札幌市の市立札幌旭丘高校(相沢克明校長、生徒940人)サイエンス部の堤優羽さん(17)ら3人が19、20の両日、奄美大島の龍郷町中央グラウンドで自作のモデルロケットを打ち上げた。同部は6月にフランスのパリで行われる国際大会「インターナショナル・ロケッタリー・チャレンジ(IRC)」に日本代表として出場する。打ち上げたロケットは大会に向けた試作品。3人は秒速100メートルで真っすぐに飛び上がっていくロケットを見詰めながら、世界一への手応えを感じ取っていた。
同部は昨年、静岡県で行われた「ロケット甲子園」に初出場して優勝し、ロケットの打ち上げ技術や設計についてのプレゼンテーションなどを競う国際大会への出場権を得た。今回は、機体の調整や打ち上げ実績を記録するため、顧問の大畑真人教諭(49)と来島した。
ロケット製作や打ち上げには、国内で唯一、モデルロケット用火薬の輸入販売を行っている野村特殊工業(龍郷町赤尾木)の野村真仁代表(53)が協力。堤さんが野村さんに火薬の購入を依頼したことから交流が始まった。
今回は当初、学校内で打ち上げる予定だったが、安全面での配慮や火薬運搬費用などの負担が大きかったことから、同社がある龍郷町での打ち上げが決まった。

龍郷町中央グラウンドで行われた試作ロケットの打ち上げ=20日、龍郷町
ロケットの素材はプラスチックと紙。IRCでは全長65センチ以上、重量650グラム以下などと規程。宇宙飛行士に見立てた卵を搭載し、▽卵が割れないこと▽高さ850フィート(約259メートル)に達すること▽滞空時間が42~45秒の間であること―などが条件で、英語でのプレゼンテーションも勝敗を左右する。
予定していた2日間の打ち上げは天候にも恵まれ、無事に終了。今回はサイズの異なる6機を打ち上げた。20日は地元住民らも見学に訪れ、興味深そうに打ち上げの様子を見守った。
野村代表は「機体設計は完璧。この2日で場数を踏み、経験も身に付けた」と期待。堤さんも「任せてください」と笑顔で答えた。
IRCは6月22、23の両日開催。米英仏日4カ国の代表が競う。
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