山口市の観光人力車存続の危機

市内唯一の観光人力車と山本さん(菜香亭で)
山口市内唯一の観光人力車を引く、小郡金堀町の山本幸信さん(63)。2011年から6年間、車夫を務めてきたが、左手の不調でサービスを停止している。天花1丁目の菜香亭が管理し、春の風物詩「湯田温泉白狐(びゃっこ)まつり」では、その年のカップルを乗せるなど、観光資源の一つでもあるが、実質的に車夫ゼロとなっている。
山本さんは退職した57歳の時に、趣味のマラソンで培った体力を生かし、地域の観光客誘致に一役買おうと手を挙げた。12年に市内で行われた、ロンドンオリンピック女子卓球団体の銀メダル獲得を祝うパレードで、石川佳純選手を乗せたことは自慢の一つだ。不調は加齢に伴うしびれだが、今月には手術し、現在リハビリ中。山本さんは「たくさんの人との出会いや、『楽しかった』の一言がやりがい。続けたい気持ちはあるが、若い人に期待したい」と話す。
人力車は06年10月、JTB協定旅館ホテル連盟山口支部が導入し、菜香亭を運営する「歴史の町山口を甦(よみがえ)らせる会」(歴山会)に委託。まちの魅力を再発見する「アートふる山口」の観光客を乗せたり、桜の季節には一の坂川周辺を巡ったりと活躍してきた。歴山会の藤村成生さんによると、車夫はこれまで、学生や社会人が毎年1~3人いたが、卒業や転居といったやむを得ない理由で辞めた。10年には、安定確保と交流のため「山口車夫倶楽部」が結成されたが、行き詰まりを見せている。
藤村さんは「意欲ある働き盛りの人や学生がいても、定着は難しい。退職者や女性にも期待しているので、地域の観光のため協力をお願いしたい」と呼び掛ける。
関連記事
3月8日の全線開通前に歩き初め 蒲郡市内、名豊道路でイベント
3月8日に全線開通する「国道23号バイパス名豊道路」の全線開通直前イベントが16日、蒲郡市の未開通区間であった。蒲郡、豊川をはじめ近隣自治体の住民ら約3000人が、開通前の道路を歩くなどした。 ...
乗降客185万人過去最多 24年宮古空港 前年比べ13万人増加 旅行需要..
2024年に宮古空港を発着した旅客数(乗降客数)は前年(172万3786人)より約13万人増の185万7279人で過去最多となったことが12日、宮古空港管理事務所(市空港課、伊計盛之課長)のまとめで...
豊橋鬼祭 「からかい」で最高潮 安久美神戸神明社
国重要無形民俗文化財「豊橋鬼祭」の本祭が11日、豊橋市八町通3の安久美神戸神明社で営まれた。最大の見せ場「赤鬼と天狗(てんぐ)のからかい」があり、多くの人が見守った。 午後2時頃、境内を埋...
作中に登場しない「マケイン」聖地が話題 豊橋
豊橋市の「大清水まなび交流館ミナクル」が、東三河を舞台に高校生たちの青春を描いたアニメ「負けヒロインが多すぎる!(マケイン)」の聖地になっている。アニメ制作陣らの描いたヒロイン「八奈見杏菜」が、...