長さ57㍍巨大な風車の羽根運搬 夜の能代市内慎重に
トレーラーで運ばれる長さ57㍍の巨大なブレード(能代市通町の国道101号で)
風力発電所の大型部材が夜間を縫って、能代市大森山から同市落合に運び出されている。11日未明には長さ57㍍、重さ19・3㌧に及ぶ風車の羽根(ブレード)が大型トレーラーに積まれ、街なかの公道を慎重に走行した。規格外の大きさなため、あらかじめ道路標識を外し、交差点周辺を拡幅造成した。トレーラーの前後には先導車など約10台が付き、交通誘導員など総勢20人ほどが関わる大掛かりな「風車道中」が夜ごと繰り広げられている。来月上旬に輸送のピークを迎える。
県内外18社が出資する白神ウインド合同会社(代表社員=大森建設)が建設する白神ウインドパワー風力発電所の構成部材。国内最大級の出力4200㌗の風車を同市と八峰町の6地区に計25基(合計出力9万6600㌗)建設する。昨年7月に着工し、7年3月の運転開始を目指す。
円を描くブレードの直径は115㍍。全長90㍍のタワーはそのままでは大き過ぎて運べないため、6分割した。ポルトガルで製造したブレード、韓国で造ったタワーは能代港で陸揚げし、近くの能代吉野石膏敷地に仮置きしている。
大型部材は交通量の少ない午後10時~午前5時に運ばれている。ブレードの輸送は先月下旬に開始し、11日が3枚目。午前0時30分に吉野石膏敷地を出発し、港湾道路─国道7号─国道101号─能代大橋を経て能代球場に入る市道を左折し、約12㌔離れた落合の海岸線にある建設現場まで約3時間かけて運んだ。
国道の交差点は周辺を造成して広げ、道路標識も事前に撤去した。周囲の標識や信号機などにぶつからないよう係員が誘導し、反対車線まで使って通過。高さが5㍍以上あるため電線を専用の棒を使って上げるなど、能代の伝統行事「役七夕」の城郭灯籠の運行のようにゆっくりと曲がって行った。
ブレードの縁には緑色のLED(発光ダイオード)テープを張り、夜でも通行車両や係員から目立つようにした。大型トレーラーの前方には先導車、後方には警戒車など全部で約10台、交通誘導など含め総勢約20人の道行き。通行人は流線型の白い巨体がゆっくりと動く様子に「クジラのようだ」と驚いていた。
大型部材を載せたトレーラーの総重量は150㌧を超す。須田の農地周辺は農道を拡幅し、田んぼも一時的に埋めた。下請けや道路管理者らと綿密な打ち合わせを繰り返しながら進めている「風車の夜間移動大作戦」。運搬を担う大森グループの「ダイニチ」(同市下浜)は「仮設道路は重量も計算して設計しているが、走り終えるまで安心できない」と言う。
風車は同市の落合に8基、荷八田・朴瀬に5基、須田・竹生と比八田の両地区に各2基、同町の沢目と水沢の両地区に4基ずつ配置する。大型部材は落合の建設現場に続き、6月から須田、8月から沢目にも運び出され、11月までに第1段階となる14基の据え付けを終える。水沢など残り11基は来年3月に能代港から搬入し、据え付ける予定。
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