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長野日報社

地区特産の希少「神宮寺石」 装飾品に活用  長野県諏訪市

希少な神宮寺石でペンダントを商品化した赤羽さん(右)と北原さん(左)

昭和初期以前の産出で、長野県の諏訪市中洲神宮寺地区にしかない極めて希少な岩石「神宮寺石」を加工して、伝統工芸の七宝焼で装飾したペンダントが誕生した。地元の七宝工芸家、赤羽洋一さん(61)と石の匠、北原大貴さん(50)が共同で商品化した。かつて鳥居や石塔、石垣などに多用されて地元民にはなじみの石ながらその成り立ち、性質ともに非常に珍しく「謎と不思議に満ちた石」(北原さん)。数年前、地元の「上社周辺まちづくり協議会」が特産として光を当てた。「装飾品としての活用は初めて」(赤羽さん)という。

◆神宮寺地区特産 現在採石できず◆

同石は研究者の間で長らく、火山活動で諏訪湖南西に広くできた地層「塩嶺累層」の一部で玄武岩とされていたが2006年、名取克裕教諭(富士見中)が詳しく調べて「安山岩」だと突き止めた。しかも諏訪地方の火山岩に類似が見当たらず、塩嶺累層の成り立ちとは違う時期に同地区西側の山腹から出た溶岩では―と考察。岩体は採石跡地での目視で幅約100メートル、厚さ10メートルほどしかなく、「生成の過程が近在のものとはだいぶ違い、私の知る限り県内でもかなり特異な可能性が高い」(名取教諭)とする。物質の含有比率も諏訪周辺の岩石には珍しい組成がみられるという。

加えて性質も、北原さんによれば「水の含みが非常に良いのに経年劣化がほとんどない。刃当たりが柔らかで削りやすいのに石そのものは堅牢」で、「矛盾ばかりの不思議さに神秘を感じる」という。現在は採石はできず、北原さん経営の石栁北原が保有するのみだ。

◆慣れ親しんだ石 細工もしやすく◆

ペンダントトップは北原さんが石を削り、赤羽さんが銀や七宝の上薬で装飾した。直径約1センチ、長さ約3センチで円柱、四角柱、六角柱の3種類ある。重さ7グラム前後と軽くて温かな手触りで、保水性の高さを生かし、香水をしみ込ませても楽しめる。

銀を巻いたり、上薬で彩色したりした二つとないデザインも石の固有性と相まった魅力にしたい考えだ。焼き付けの際に高温で熱したところ「一般的な天然石は変質してしまうのに、神宮寺石は全く変わらなかった」(赤羽さん)と新たな発見と驚きも加わった。

北原さんは「子どもの頃から細工の手習いで慣れ親しむ大好きな石。こんなに小さな加工は初めてで、貴重な石を小片まで活用できる」と話し、赤羽さんは「期待以上に細工がしやすい。さらにデザインの工夫ができそう」と創作意欲を刺激されている。1個税込み6600円から販売するほかオリジナル注文、製作体験も受ける。

協議会の小島実会長は「まれな偶然が重なって生成され、産出量も希少なだけに秘めるパワーも大きいと思う。活用に新たな広がりが出た」と普及に期待を寄せている。

神宮寺石を使った商品は2点目。昨春、同協議会がインテリア用アロマストーンを発売し、「SUWAプレミアム」に認定された。

商品に関する問い合わせは赤羽七宝舎(フリーダイヤル0120・173・939、午前10時~午後6時)へ。

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