五穀豊穣願う舞奉納 田楽「高寺八講」 4年ぶりくねり行列
鶴岡市羽黒町高寺の雷電神社に伝わる田楽「高寺八講」(県指定無形民俗文化財)が4日、同神社の春の例祭で奉納上演された。大勢の見物客が訪れ、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る舞に見入った。
高寺八講は室町末期ごろから氏子たちが受け継いできた豊作祈願の舞で、1976年に県文化財指定を受けた。「八講」とは8日の祭典「八日講」を略したという説や演目がかつて「八番」あったなど諸説ある。明治時代半ばまでは8番全て舞われていたが、現在は4番までを奉納上演している。
好天に恵まれたこの日は4年ぶりにくねり行列が復活。地元の若い衆など約20人が神社を目指して地区内を練り歩いた。
拝殿で祈祷後、「薙刀(なぎなた)舞」や広瀬小学校の児童による「稚児舞」、現在は雷電神社など全国的にも一部でしか舞われていないという貴重な「大小舞」を披露。メインの「花笠舞」では、上部に色鮮やかな花を差した四角い笠をかぶり、ササラや扇を手にした6人の舞い手が独特の所作で田楽の世界を表現。訪れた地元民やアマチュアカメラマンを魅了した。
生まれが高寺という神林美恵子さん(83)=鶴岡市大西町=は「毎年見に来る。少子化などで難しいところもあると思うが、地域の大切な伝統芸能を未来につないでほしい」と話した。

笠の装飾をはためかせながらササラを「ジャッ、ジャッ」と鳴らす花笠舞
関連記事
「持ち帰らないで」 外来生物オオキンケイギク
特定外来生物のオオキンケイギク(キク科)が、和歌山県紀南地方の河川敷や道路沿いなどで鮮やかな黄色の花を咲かせている。取り扱いには注意が必要で、栽培や運搬、販売、野外に放つことなどが外来生物法で...
羽黒山中腹・南谷“芭蕉ゆかりの地”きれいに 羽黒小伝統の清掃奉仕 史跡整える
松尾芭蕉が「奥の細道」で1週間滞在した鶴岡市の羽黒山中腹にある南谷で21日、地元・羽黒小学校(八渡宗一郎校長)の子どもたちが伝統の清掃奉仕を繰り広げた。熊手を使ってスギの枯れ葉を集め“芭蕉ゆかりの地”...
ホワイトアスパラ無償提供 音更・竹中農場が帯広の仏料理店へ 恩人に感謝
音更町の竹中農場(竹中章代表)は、農場で収穫するホワイトアスパラガスを、フランス料理店「メゾン・ド・ルミエール」(帯広市西8南14、奥村彰教オーナーシェフ)に無償提供、同店で23日からホワイトア...
「日本一学生が活躍するまちづくり」始動 若者の視点で施策吟味【宇部】
宇部市は21日、学生と一緒に市の事業を企画・提案する「日本一学生が活躍するまちづくりワークショップ」の第1回を山口大工学部の「志イノベーション道場」で開催した。公募に応じた県内の学生43人が...