伝統の祭りGW彩る 「武者行列」 中山神社例大祭 松山まつり 「流鏑馬」 市条・八幡神社 神幸祭神事
酒田市松山地域にある中山神社の例大祭「松山まつり」が1日、同地域中心部で行われ、呼び物の「武者行列」(酒田市指定無形民俗文化財)で、4年ぶりに武具甲冑(ぶぐかっちゅう)の武者たちが堂々の行進を披露した。
同神社は、江戸前期の1647(正保4)年に庄内松山藩の初代藩主・酒井忠恒公が立藩した翌慶安元年に創建。その後、庄内藩祖・酒井忠次公と、徳川家康の嫡男・信康公を祭るために社殿を造営した。信康公を祭るのは、織田信長の命で同公が切腹した際、忠次公が深く関わっていた縁。
武者行列は、1757(宝暦7)年ごろから祭典の神輿(みこし)渡御を警護したのが始まりといわれ、250年以上続いている。新型コロナウイルス感染症の影響で2020年から中止が続いており、開催は4年ぶり。今年は中山神社の氏子や東部中学校の生徒ら93人が参加した。
午後1時過ぎ、神社前を出発。かみしも姿の武者を先頭に、鉄砲組や弓組、足軽組、騎乗の行列奉行、侍大将らの鎧(よろい)武者が太鼓の音に合わせ、松山歴史公園や仲町など中心部約4キロを3時間ほどかけて練り歩いた。
このうち、松山歴史公園では、松山城大手門(県指定有形文化財)をバックにした姿が特に“絵”になることから大勢の見物客が待ち受け、盛んにカメラのシャッターを切るなど迫力ある歴史絵巻を楽しんでいた。

鎧武者たちが堂々の行進を披露した=松山歴史公園
酒田市市条の八幡神社(小野信幸宮司)で1日、古くから伝わる神事「流鏑馬(やぶさめ)」が行われ、神馬に乗った射手が放った矢が的を射ると、祭り客らから大きな拍手が送られた。
同神社は平安時代前期の877(元慶元)年の建立。流鏑馬は天正年間(1573―92年)の「出羽国一之宮両所山縁起」に記載されているなど、その歴史は古く、毎年5月1日に行われる同神社の「神幸祭(みゆきさい)」の中で、その年の稲の作柄を占う神事として伝わっている。近年は寒河江市の「寒河江八幡宮流鏑馬保存会」の若手会員が射手を務めている。
神社でおはらいを受けた射手は、神馬にまたがり近くの荒瀬川左岸に設けられた的場へ。約10メートル離れた5つの的を目掛けて矢を放った。柔らかな日差しで心地よい風が吹く中、土手や同川に架かる八幡橋には大勢の祭り客らが訪れ、雪を抱いた鳥海山、新緑を背景に射手が構えると盛んにシャッターを切っていた。

馬上から矢を射って稲の作柄を占った=荒瀬川河川敷
関連記事
「持ち帰らないで」 外来生物オオキンケイギク
特定外来生物のオオキンケイギク(キク科)が、和歌山県紀南地方の河川敷や道路沿いなどで鮮やかな黄色の花を咲かせている。取り扱いには注意が必要で、栽培や運搬、販売、野外に放つことなどが外来生物法で...
羽黒山中腹・南谷“芭蕉ゆかりの地”きれいに 羽黒小伝統の清掃奉仕 史跡整える
松尾芭蕉が「奥の細道」で1週間滞在した鶴岡市の羽黒山中腹にある南谷で21日、地元・羽黒小学校(八渡宗一郎校長)の子どもたちが伝統の清掃奉仕を繰り広げた。熊手を使ってスギの枯れ葉を集め“芭蕉ゆかりの地”...
ホワイトアスパラ無償提供 音更・竹中農場が帯広の仏料理店へ 恩人に感謝
音更町の竹中農場(竹中章代表)は、農場で収穫するホワイトアスパラガスを、フランス料理店「メゾン・ド・ルミエール」(帯広市西8南14、奥村彰教オーナーシェフ)に無償提供、同店で23日からホワイトア...
「日本一学生が活躍するまちづくり」始動 若者の視点で施策吟味【宇部】
宇部市は21日、学生と一緒に市の事業を企画・提案する「日本一学生が活躍するまちづくりワークショップ」の第1回を山口大工学部の「志イノベーション道場」で開催した。公募に応じた県内の学生43人が...