山口市平川地域出身で卓球女子五輪メダリストの石川佳純選手（３０）が１日、現役引退を発表した。市内では、多くの感動をもたらした石川選手への惜しみない賛辞とねぎらいの声が聞かれた。

　石川選手はいずれも女子団体で２０１２年のロンドン五輪で銀メダル、１６年のリオ五輪で銅メダル、２１年の東京五輪で銀メダルを獲得した。全日本選手権はシングルスで５度の優勝を果たしている。自身のＳＮＳで「長い間、世界のトップレベルで戦ったこと、たくさんの夢をかなえられたことを幸せに思います」とつづった。

　２１年に県民栄誉賞と県スポーツ特別賞を贈った村岡嗣政知事は「寂しい気持ちはあるが、人生の新たなステージに向かう今後の活躍を期待し、県民とともに応援していきたい」と談話を発表した。

　伊藤和貴市長は「五輪３大会でメダルを獲得した後には、毎回市に凱旋（がいせん）し、パレードで沿道の市民に気さくに接する姿に古里への愛着を感じた。闘志あふれるプレーが見られなくなるのは非常に寂しいが、ゆっくり体を休めて、今後の活躍を祈念する」とコメントを表明した。

　平川地域の住民でつくる後援会の蔵成幹也会長（７８）は「引退は残念だが、ゆっくりさせてあげたい。３大会でメダル獲得を成し遂げたことは言葉にならない喜びがあった。今後、次世代の選手育成に励んでほしい」と語った。

　引退の報を聞いた富田きよみさん（６３）＝白石＝は「残念。でも、ご苦労さまと言いたい」、市内に帰省中の女性（１９）も「卓球以外での活躍も見てみたい」と話した。