三種町にドッグレース場 5、6日に全国大会

国内で初めてという常設レース場「スーパーソニックパーク」を整備した伊東さん。八郎湖などを望むことができる
犬の走力を競うドッグレースの全国大会「ジャパンダービー」が、5、6の両日に三種町芦崎字入口岱の常設レース場「スーパーソニックパーク」で開催される。国内で初めてという常設のレース場を整備したのは、同町芦崎字屋布台の伊東日四郎さん(62)。新型コロナウイルス禍の行動制限などを受け、レースの機会を失った犬や飼い主の願いをかなえようと、所有する山林の木々を切り出し、整地して1周300㍍のレース場を整備した。伊東さんは「交流人口の拡大など地域振興につなげていければ」と語る。
伊東さんもドッグレースに出場する犬種「ウィペット」9頭を飼育。「足が速い犬は走り始めて1・5秒で時速60㌔以上に達する。疑似餌を追い駆ける犬の目つきは真剣そのもので、疾走する姿には躍動感があり、犬も見守る飼い主も幸せを感じているようだ」と魅力を語る。県内外の愛好者と共に、平成20年ごろから約10年間は道の駅おおがた近くの広場を大潟村から借り、ドッグレースの大会を企画・開催してきた。
しかし、新型コロナの影響で、都道府県をまたぐ移動が制限されるなどしたため、大会の開催が難しくなった。伊東さんによると、レースでは2~5歳犬の足の速さが光り、好成績を残す。「犬は人間よりも早く年を取る。競技に臨むことができる現役年齢に思い切り走れないのは、かわいそう」と、所有する山林を整備して国内初の常設レース場の整備を決意したという。
2年6月から、伊東さんが代表取締役を務める会社の社員の協力を得ながら、重機でニセアカシアを取り除いたり、砂地をならしたりして整備を進め、常設レース場「スーパーソニックパーク」を同年秋に完成させた。
トラックレースが可能なレース場で、1周300㍍で減速区間40㍍が含まれる。伊東さんによると、国内で開催されるドッグレースの会場は常設がなく、河川敷や草地などで実施されることが多く、砂利や木の根などによって犬が足を痛めることもある。パークは砂地で犬の足への負担が少ないほか、地下水を引いていることから散水によって砂が締まって走りやすくなったり、暑い日は地表面温度を下げられたりする。特製のスタートボックスも備えている。
完成後はこれまでに大会を2回開いており、3回目の今年は、全国の愛好者による団体「ジャパンドッグレーシングクルー」(JRC)が「ジャパンダービー」の大会名で5、6の両日に大会を開催。県内外から延べ100頭の参加が見込まれる。5日は1頭での260㍍タイムレース、6日は6頭による262㍍レースを行う。両日とも競技参加は1頭4千円。4日はコース練習で、犬種を問わず興味のある愛犬家の参加を歓迎、利用料は1頭3千円。
伊東さんはスーパーソニックパークを大会利用以外にも貸し出していきたい考えで、「これまで来てくれた県外の人の中には三種町を好きになって、ふるさと納税をしてくれた人もいる。このパークを通じて三種町や秋田県に来たり、関心を寄せたりする人が増え、地域おこしにつながればうれしい」と話している。
スーパーソニックパークは、ローソン能代浅内店の丁字路をメロンロードに進むと、案内看板が置かれている。問い合わせは伊東さん(☎090・4045・7256)へ。
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