
無藝荘内のいろり端で小津安二郎にまつわる逸話を語る火代番(右)と来館者
長野県茅野市郊外の蓼科を愛した映画監督、小津安二郎(1903~63年)の記念館「無藝荘」が29日、今年の一般公開を始めた。生誕120年に当たる今年は11月5日までに例年よりも10日多い110日間開く。案内役の「火代番」がいろり端で来訪者を出迎え、小津監督らが蓼科での生活を記した「蓼科日記」のエピソードなどを披露している。
「無藝荘」は小津監督が仕事場や映画関係者の接待の場所として活用した建物で、製糸業で日本の近代化を支えた片倉家が地元の旧家を移築して別荘とした「片倉山荘」を1956(昭和31)年に小津監督が借り、命名した。03年に小津監督の生誕100年を記念し、茅野市が現在地に移築した。
火代番は藤森光吉さん(76)=同市湖東=ら3人が務める。開館初日から親子や夫婦らが訪れ、小津監督の生前の功績や無藝荘での暮らしぶりなどに思いをはせ、藤森さんが語る小津監督が来訪客をもてなした際の逸話などに耳を傾けていた。
心の俳句展は日本伝統俳句協会北信越支部長の瀬在光本さんを迎えて行う。投句を受け付けている。
午前10時~午後4時。入館料は100円。問い合わせは蓼科観光協会(電話0266・67・2222)へ。
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