自転車ヘルメット着用努力義務化 需要急増で品薄状態に 長野県

需要の急増で品薄状態となっているヘルメット=伊那市山寺の「CLAMP」
道路交通法の一部改正で、4月から自転車乗車時のヘルメット着用がすべての人に努力義務化された。それに伴う需要の急増で、長野県伊那市内の自転車専門店ではヘルメットが品薄状態となっており、入荷が見通せない店舗もある。自転車通学を認めている学校では、積極的に着用を促す動きが進んでいる。
■在庫ない状況 入荷見通せず
伊那市山寺の大沢屋自転車商会では、3月に入りヘルメットの購入者が急増し、3月末には品薄状態に。高額な商品は数点残っているが、「今まではこんなになくなることはなかった」。メーカーに在庫がない状況が続いているため、「いつ店頭に並べられるか分からない」と話した。
同市山寺の「CLAMP」は常時30~40点は店頭に並べていたが、現在は2万円以上の比較的価格の高い商品が数点のみ。普段はあまり出ない1万5千円以上の品の引き合いも相次いだ。
3月末から4月にかけて通勤や通学で自転車を使用する会社員や高校生の親子連れが多く訪れ、特にシンプルでカジュアルなデザインのものが人気という。早くて4月末から大型連休明けごろに入荷遅れ分が入る見込みだが、「最も売れている1万円以下の安価なものはもう少し先になるかもしれない」と話す。
同店取締役の武村由紀子さん(47)は「街中で乗る方は自分の不注意での転倒だけでなく、車との接触で不意の事故になることもある。安全を考えると着用を推奨したい」。加えて「ヘルメットはずっと使っていると性能が落ちていく。一定の目安で買い替えてもらうことも大事」と呼び掛ける。
■登下校時に 学校で指導
高校では、努力義務化されたことを周知するなどして生徒に着用を促している。上伊那農業高校(南箕輪村)は、努力義務化に加え、盗難防止のため、ヘルメットへの記名や施錠についても記した文書を配布した。
3割の生徒が自転車通学しているという高遠高校(同市)でも義務化はしていないが、着用するよう登下校時に指導。法改正前は少数の生徒しか着用していなかったが、今春入学した1年生は8割が着用しているという。同校は「努力義務化されたこともあるが、安全面からもヘルメットをかぶってもらいたい」としている。
■非着用の致死率 着用時の2倍
県と県警によると、2018~22年の5年間に自転車事故で死亡した人のうち、約48%は頭部を損傷。ヘルメット非着用の際の致死率は、着用時の約2倍だったという。
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