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長野日報社

縄文時代の渦巻文朝顔形土器を復元 井戸尻考古館

ほぼ完全形の復元に成功した縄文時代前期末葉の「渦巻文朝顔形土器」(日向遺跡から出土)

 富士見町井戸尻考古館は、縄文時代前期末葉(約5500年前)の土器の代表的な形と文様がよく表れた「渦巻文朝顔形土器」を復元し、公開を始めた。四つの角が立ち上がった円筒形で、高さ約42センチ。精巧に刻まれた渦巻き模様が特徴で、「ほぼ完全形の復元は全国的にも少なく、大きさ、形、施文の見事さなど最高クラス」(同館)という。出土時の状況にも特徴があり、「当時の信仰や思想を考察する史料的な価値が高い」と考古学関係者の関心を呼んでいる。  土器は、2011年の発掘で、井戸尻遺跡に隣接する「日向遺跡」から出土した。土器の上部3分の2ほどは、墓と思われる穴の中に割れた形で、下部は穴から15メートルほど離れた住居跡の床部分に伏せた形でそれぞれ見つかった。  出土場所が異なるため、これまでは別分類され、たくさんの土器片の一つとして保管されていたが、先月からの企画展を機に、館の専門職員が復元を試みたところ、上部の破片と下部が一致。多くの土器片の中からわずか1.5センチ程度のかけらを見つけ、割れ目の一致を探すといった地道な苦労を重ねて、ほぼ完全形ができた。  縄文中期の土器に比べて薄く作られており、朝顔の花のように上部にゆくほど縁が広がっている。表面はなめらかで、切り口が半円形の棒状の道具を細かく押し付けて模様を一面に刻んである。煮炊きに使った跡もみられる。  日向遺跡は学術史上、八ケ岳南麓から伊那谷北部、松本平南部の一帯にかけての同時期の代表的遺跡とされる。そこで同時代の代表的な形や文様の土器がほぼ完全な形で出土したことになり、同館では「この時期に出土する土器は破片が多いので、貴重な史料」とする。  加えて、上部と下部が別々の場所から出土したことも、「目的は不明ながら意図的」とし、習俗研究を前進させる端緒と期待が集まる。  同館の小松隆史学芸員は、「これまでも墓穴から割れた土器が出土するケースは多数あるが、この土器から墓地で土器を割って弔いの儀式をする姿が見えるかのようだ」と話している。  特別公開は11月下旬まで。開館時間は午前9時~午後5時。月曜日、祝日の翌日は休館。入館料は小中学生150円、高校生以上300円。問い合わせは同考古館(電話0266・64・2044)へ。

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