
ブルワリー併設のカフェ「LABO and CAFE YAMAMOTO」がオープン
八峰町八森の山本酒造店(山本友文社長)が国道101号沿いの同社敷地内に整備したブルワリー(醸造所)併設のカフェ「LABO and CAFE YAMAMOTO」が25日、本格オープンした。県内外から日本酒ファンが来店、秋田杉をふんだんに使ったモダンな空間で提供される出来たての酒などを楽しんだ。山本社長(52)は「酒蔵はツーリズムの目的地にもなっている。全国、海外からもファンを集め、町のにぎわいにもつなげたい」と意気込んでいる。
同カフェは木造一部2階建てで、総面積446平方㍍。1階にカフェスペース(約190平方㍍)、キッズスペース(約7平方㍍)、日本酒を造るブルワリー(約18平方㍍)など、2階には特別な時間を過ごしたい人やイベント向けの「VIPキッチン」(約33平方㍍)を設けた。全28席(屋外テラス席を除く)。
天井をはじめとした内装、椅子、テーブルなどに秋田杉をふんだんに使い、外に向かってせり出すようにスギ材を組んだ大きなひさしの外観も特徴的。カウンターには優しい色合いと抗菌性に優れる十和田石を使用。トイレのシンクとして樽冨かまた(能代市)の秋田杉製の桶を置き、酒を仕込む大型の樽は能代製樽(同)に特注した。
設計は山本社長の高校時代の同級生の高橋理徳子さんが代表を務める「リリーアーキテクツ」(秋田市)と、能代市出身で「納谷建築設計事務所」(川崎市)共同代表の納谷新さんに依頼。「設計チームには『酒蔵の雰囲気には寄せないでほしい』とリクエストしていた。魅力的で、訪れた人が心ときめくような建物になった」と山本社長。建設費は約4億円で、経済産業省と町からの補助金も活用した。
ブルワリーには4個の酒樽を並べ、実験段階の酒を1週間に1種類、常時4種類を仕込む。店舗ではこのうちの3種類を提供するほか、県内のクラフトビール醸造所にレシピを預けてオリジナルのクラフトビールを造り、夏頃をめどに提供を始める予定。
つまみはスペインのバル(酒場)を参考に、手作りのキッシュ、テリーヌなどを用意。フランス人パティシエ、ピエール・エルメ氏監修のマカロンを東京の工房から取り寄せ、東北では初めて販売する。酒のほかに提供するコーヒーも最高級の豆をひいてつくるなど、「最高の建物、雰囲気の中で最高の物を提供し、山本酒造店のブランドも高めていきたい」(山本社長)という。
本格オープン初日は、昼までに約70人が訪れたほか、18日から24日まで山本社長のツイッターアカウントをフォローしている人を対象にしたプレオープンには、神奈川、宮城など県外からも多くの来店があった。山本社長は「衛生上の理由から酒蔵を開放できずにいたが、ようやくファンサービスができる施設が実現した。今後はブルワリーで、無料で仕込み体験できるような取り組みも行っていくほか、全国の日本酒ファンやインバウンド(訪日外国人旅行者)向けの宿泊施設を整備することも構想中。この施設を皮切りに、町に活気をもたらしていければ」と話した。
「LABO and CAFE YAMAMOTO」はJR五能線・東八森駅から徒歩3分。営業時間は午前10時〜午後4時。火、水曜日定休。酒3種類(各120㍉㍑)の試飲セットが2千円(オリジナルグラス付き)で、量り売り(600㍉、2千円)も実施。席の予約は☎070・1146・9430へ。
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