海外クルーズ船、3年ぶり寄港 奄美市 乗客650人、地元歓迎

名瀬港に寄港したセブンシーズ・エクスプローラー=23日、鹿児島県奄美市名瀬
米国の船会社が所有する豪華客船「セブンシーズ・エクスプローラー」(5万5254トン)が23日、鹿児島県奄美市の名瀬港観光船バースに接岸した。新型コロナウイルスの影響で外国からの客船寄港の自粛が続いていたこともあり、国際クルーズ船の奄美への寄港は3年4カ月ぶり。港では商工・観光関係者らが歓迎セレモニーを開き、島唄や六調で約650人の乗客をもてなし、国際クルーズ船観光の再開を歓迎した。
今回の奄美寄港は、東アジアを巡る約2週間の周遊ツアーの一環。今月14日に東京を出発。23日までに名古屋や京都、九州、韓国各地を訪問し、奄美大島の後は沖縄、高知、静岡を巡って最終寄港地の横浜港へ向かう。
観光船バースで催されたセレモニーでは、安田壮平奄美市長が「うがみんしょうらん、ウェルカムトゥアマミオーシマ!」と方言と英語を交えてあいさつ。「世界自然遺産にも登録された豊かな自然と文化、食、人情にも触れ親しんでほしい」と呼び掛けた。
初寄港を祝してルカ・モルヴィッロ船長と記念盾を交換し、紬美人の轟木美来さんらが花束を贈った。

笑顔で奄美大島観光に繰り出す乗客ら
港から市街地へのシャトルバスが運行されたほか、島内ツアーも企画され、希望者は奄美市笠利町の田中一村記念美術館や同市住用町のマングローブカヌーなどに繰り出した。シカゴから来日したという男性(31)は電動補助付きスポーツ自転車をレンタル。「美しい自然の景色や街中を見て回るのが楽しみ」と話していた。
同クルーズの乗客は米国人約300人をはじめ、大半が欧米豪からの訪日観光客。鹿児島県によると、2023年度の名瀬港へのクルーズ船寄港予定は18回で、うち14回が外国船という。
奄美大島5市町村で組織するあまみ大島観光物産連盟の有村修一会長は、「世界自然遺産登録の経済効果が、今後目に見える形で表れてくると思う。発信力のある海外富裕層に奄美の魅力をアピールしてもらいたい」と期待した。
この日の夕方には船の出発を見送ろうと近隣住民も港を訪れ、地元の島唄教室の生徒たちが船内の乗客に向けて島唄や六調を披露した。訪れた住民たちは船が離岸した後も姿が見えなくなるまで手を振り、乗客との別れを惜しみながら同船の旅の安全を祈った。
関連記事
激戦和歌山へ応援続々 石破首相ら党首クラス 参院選
参院選の公示から1週間。和歌山選挙区では1議席を巡る新顔7人の争いが、激しさを増している。全国に32ある「1人区」は、選挙戦全体の勝敗の鍵を握るとされる。和歌山には、各党のトップや幹部が各陣営...
豚丼全国へギフト開発 帯広物産協と会員2社
帯広物産協会が進める「100年豚丼プロジェクト」が新たな展開を見せている。全国に向け、豚丼の魅力を発信しようと、会員企業と連携し、ギフト用に本格的な豚丼セットを開発した。中元シーズンに合わせ売り...
プロゴルファー生源寺選手が母校・竜王中で講演 「向上心や探究心を大切に」..
赤崎小、竜王中出身のプロゴルファー、生源寺龍憲選手(27)が9日、同中で講演した。母校の後輩に当たる児童・生徒224人を前に、中学時代を振り返りながらプロ生活について語り、夢や目標に向かって意欲...
イガイ「エゲ」「イゲ」はうまい!! 豊富に採れる庄内浜 “夏限定”でないをアピ..
みそ汁にするとおいしい庄内浜の「イガイ」をアピールする取り組みが始まった。県漁協、県水産研究所、鶴岡市、磯見漁師、飲食店がタッグを組み消費拡大を目指す。 イガイは水深5~7メートルの岩に付...