建築甲子園2年連続奨励賞 苫工高定時制卒業の高橋さん
今月、苫小牧工業高校定時制建築科を卒業した高橋鉄三さん(69)=苫小牧市明野新町=が14日、岩倉博文市長を表敬訪問し、全国の高校生が建築設計のアイデアを競う「建築甲子園」で2021、22年度の2年連続で奨励賞を受賞したことを報告した。65歳からの学校生活を振り返り、「人生で一番勉強した4年間だった」と語った。
自ら設計した模型を前に製作過程や苦労を語る高橋さん
高橋さんは夕張市出身。夕張工業高校機械科を卒業後に苫小牧に転居し、67歳までの49年間、王子エンジニアリングや王子工営北海道などで勤務した。
王子工営で働いていた65歳の時、配属先が機械課から鉄骨課に変わり週3日勤務になったことで、余裕ができたため建築分野の勉強をしたい―と同校に入学。高橋さんは「4年間で15個くらい、検定試験を受験した」と言う。2級建築施工管理技士、建築CAD検定2級などに合格したほか、工業研究部に入り、コンテストでも活躍した。
建築甲子園のテーマはいずれも「地域のくらし―これからの地区センター」で、21年度は建築科の生徒2人と共に、市住吉コミュニティセンターの改築案を発表。子どもと大人が寄り添える空間に―とコンピューターゲームで競い合う「eスポーツ」やボルダリングを楽しめる空間を設計した。
22年度は同センターの建て替え案で、高橋さん個人で応募。50年後、苫小牧市の人口が25万人になればと願い、柔軟な働き方ができる育児サポートをメインに構想し、軽度急病センターや夜型保育所などを併設した。環境への配慮で太陽光発電や地中熱システムも取り入れ、地区予選で全国65校・117作品、全国大会34校の中から奨励賞に輝いた。
高橋さんは「ベスト8に入れなかったのは残念だったが、建築甲子園で賞を頂けたのはうれしい」と笑顔。4年間の学生生活は「17、18歳と一緒に勉強できてエネルギーをもらえた」と語る。
入学当初は「CAD(コンピューター利用設計システム)の扱いに苦労した」というが徐々に使いこなせるようになり、4年の卒業研究では木工機関車を設計、製作。「いい経験ができ、楽しかったがまだまだ道半ば。今後は2級建築士の資格を取りたい。仕事のオファーも待っている」と意欲を見せた。
関連記事
豊橋技科大「ロボコンズ」世界一への軌跡を漫画に
豊橋技術科学大学の「とよはし☆ロボコンズ」が日本勢として10年ぶりの世界一に輝いたことを記念して、頂点への514日のストーリーを描く漫画の連載が始まった。2023年から同部を支援する豊橋市雲谷町...
元気に泳げ こいのぼり 石垣市社協が30匹掲揚
5月5日のこどもの日を前に、石垣市社会福祉協議会(石垣安志会長)は19日午後、市健康福祉センター敷地内でこいのぼり掲揚式を行った。優雅に泳ぐ30匹のこいのぼりに子どもたちの健やかな成長を願った。 ...
大型客船ダイヤモンド・プリンセス 5年ぶり釧路寄港【釧路市】
今年最初の客船が14日に寄港したのに続いて、2隻目は5年ぶりの「ダイヤモンド・プリンセス」(総㌧数11万5906㌧)が釧路港西港区第4埠(ふ)頭(とう)に停泊した。約2600人の乗客がオプショナ...
子供の急な発熱 一時預かり 病児保育施設スクラム、釧路町民も同料金で【釧路..
病児保育施設スクラム(釧路市新栄町1、佐野逸紀代表)の利用料が4月から、釧路町在住者も釧路市と同額の1日2000円となった。 病児保育とは、子供が急に発熱したが仕事を休めないなどといった保護...