豪華な帯や打ち掛けなどをリメークした「和の服」を展示
着物や帯をリメークし、斬新な「和の服」を創作しているきものサンバ千恵子さん(本名・山形千恵子)=茨城県=の展示会が8日、能代市柳町の旧料亭金勇「満月の間」で開かれ、袋帯や色打ち掛け、黒留め袖などを大胆に生まれ変わらせたドレス6点をマネキンに着せて披露した。
千恵子さんは呉服商の家に生まれ、23歳でニュージーランドへ移住し、23年にわたる海外生活の中で着物の素晴らしさを再発見したという。帰国後は熊本県で、タンスに眠っている着物に新しい命を与え、衣服としてよみがえらせる「きものサンバ」として活動を開始し、「和の服」を創作・発表。平成12年から故郷・茨城県を拠点に、創作活動を続け、全国各地で展示会やショーを開いている。サンバは、産婆と、音楽や踊りのサンバを掛けた言葉という。
能代が東洋一の木都と呼ばれ栄えた頃の華やかさを伝える旧金勇にふさわしい作品をと、黒地に鳳凰の刺しゅうが施された袋帯を利用した黒のミニドレスをはじめ、鶴が舞う色打ち掛け、紫地に藤の花の振り袖などをリメークしたみやびやかな作品を選択し、6点展示。作品には総絞りの着物や白無垢などを合わせ、裳裾のように広げた。帯で作ったスカートとベストなど、参加者がまとえる作品も用意した。
正午の開場と同時に、女性客を中心に来場し、展示作品を感心しながら鑑賞。千恵子さんは能の衣装をリメークした「和の服」をまとい、パワフルでユーモアを交えた話し方で作り方を解説したり、着物の柄合わせを生かすことや、気付きやアイデアを実行する大切さを伝授。鑑賞を終えた人たちからは「着物をそのまま生かして使う発想がいい」「私は『着物』のイメージが頭から抜けないけれど、いろんなアイデアで現代のものに合わせている考えが素晴らしい」といった声が聞かれた。
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