村上さん(加茂水族館名誉館長)に吉川英治文化賞 閉館寸前をクラゲ“世界一”に評価
文化活動に貢献した人に贈られる「吉川英治文化賞」に鶴岡市立加茂水族館名誉館長の村上龍男さん(83)=鶴岡市羽黒町野荒町=が選ばれた。閉館寸前の加茂水族館を『世界一のクラゲ水族館』に立て直した功績が高く評価された。村上さんは「身に余る光栄。どん底を味わう苦しい時代があったが、多くの人に支えられたことに感謝したい」と受賞の喜びを語った。
村上さんは1967(昭和42)年、26歳の若さで館長に就任。新潟と秋田に新しい水族館が次々とオープンし一時は年間9万人まで落ち込んだが、1997年にサンゴを展示した際、自然に生まれた「サカサクラゲ」との出会いで光明が差した。その後、現在の奥泉和也館長(58)と展示種類を増やし、繁殖技術を確立。今では全国各地から多くの来館者があり、世界一の規模を誇るクラゲ水族館(約80種展示)として親しまれるようになった。クラゲを縁にノーベル化学賞を受賞した故・下村脩さんとも親交を深めた。
村上さんは「思えばサカサクラゲが奇跡を呼び込んでくれた。奥泉君がクラゲに興味を持ち、高い飼育と繁殖技術を確かなものにした。当時、加茂水族館の新築に全幅の信頼を寄せてくれた故・富塚陽一元鶴岡市長との出会いも大きかった」と振り返る。文化賞は吉川英治国民文化振興会が主催。今年で57回目。4月11日に東京・帝国ホテルで授賞式が行われる。

「サカサクラゲ」との奇跡的な出会いを話す村上さん
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