褶曲への歩道整備完了 通行にはガイド必要

足元が危険な岩場には手すりが設置された
和歌山県すさみ町口和深にある南紀熊野ジオパークの見どころの一つ「フェニックス褶曲(しゅうきょく)」へ向かう歩道などの整備が完了した。今月から利用できるようになったが、危険箇所があるため、通行するにはガイドの同行が必須となっている。
環境省が昨年7月1日~10月25日に歩道や護岸の整備、手すりや看板の設置などをした。事業費は2530万円。
歩道は国道42号沿いの入り口から褶曲まで片道約300メートル。入り口にはゲートを設置しており、普段は施錠している。潮の干満や波の状況により海に転落する恐れがある場所や足元が危険な岩場、急斜面があるためガイドなしでは通行できないようにした。
褶曲は、海のプレートが沈み込む場所(海溝)にたまった砂や泥が、岩石と言われるほど固まっていない時に、プレートからの力を受けて曲げられてできたと考えられている。その後、長い時間をかけて海底から隆起して現在の姿になったという。
褶曲とその周辺の土地は吉野熊野国立公園で、2016年度に町が購入。環境省によると、その中でも褶曲周辺は、最も規制の厳しい「特別保護地区」で「たき火はおろか、石ころ1個持ち帰ってはいけない」という。円月島(白浜町)、稲積島(すさみ町)、那智大滝(那智勝浦町)も「特別保護地区」に指定されている。
褶曲までのガイド料は7千円(1~5人)。コースは約1時間半。問い合わせは、すさみ町観光協会(0739・34・3200)へ。

南紀熊野ジオパークの見どころの一つになっているフェニックス褶曲(和歌山県すさみ町口和深で)
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