
戦いに敗れ、自害するため桜雲橋を渡る仁科五郎盛信。ツアー参加者が様子を見守った
戦国時代の1582(天正10)年3月2日に高遠城(現長野県伊那市高遠町の高遠城址公園)で武田氏と織田氏が激突した古戦場をたどるツアーが2日、同地で開かれた。武将らのやりとりを再現した寸劇などを交えた「劇場型歴史探訪ツアー」。県内から参加した25人はタイムスリップした気分で展開を見守り、忠義をささげて散っていった武士たちに思いをはせていた。
ツアーは、伊那市観光協会と伊那谷ツーリズムによる取り組みで「タイムトラベルツアー~血戦!3月2日高遠城運命の一日~」と銘打った。高遠城の戦いの「合戦印」販売記念。観桜期以外にも高遠の魅力を発信する通年観光の素材として定着化を図る。
高遠城は当時、武田信玄の5男・仁科五郎盛信が守り、勢力を伸ばす織田氏を迎え撃った。ツアーは戦いを時系列でたどる形で進み、関連する城址公園内の各所を訪ねた。
ツアーが始まると、歴史上の人物に扮した演者が随所に登場した。勘助曲輪では、武田家臣で高遠城の改修に携わったとされる山本勘助が城の特徴を解説。高遠閣に移ると織田の攻撃を前に盛信が家臣らを激励、南口では織田軍総大将・織田信忠(信長嫡男)が戦闘の手順を確認―というように当時の一こまを切り取ったような迫真のドラマが続いた。終盤、敗れた盛信は桜雲橋を渡り、その場で自害。最期の言葉を語る姿に観客らもじっと見入っていた。
竹松宏之さん(59)=伊那市富県=は「戦場の様子が分かり、大変勉強になった。普通の案内だけでなく、臨場感のある観光ができると楽しい」と話していた。
案内役で出演した同市観光協会の丸山舞さんは「目や音で感じて当時の様子を思い浮かべやすかったと思う。演者さんの迫力ある声や振りに歓声を上げてもらいうれしかった」。古戦場としての高遠城の魅力に触れ「年間を通して足を運んでいただきたい」としていた。
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