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斎藤秀一(旧山添村出身言語学者)の悲劇迫った一冊 長井市出身の工藤さん(政治学博士)執筆

反戦平和を訴えた青年教師・斎藤秀一の悲劇を追った「特高に奪われた青春」

 第2次世界大戦の終戦の日を前に、戦前に国際語のエスペラントの普及を通して反戦平和を訴えた旧山添村(現鶴岡市)出身の言語学者・斎藤秀一(さいとうひでかつ、1908―40年)の生涯を追った「特高に奪われた青春―エスペランティスト 斎藤秀一の悲劇」(芙蓉書房出版)が出版された。将来を嘱望されながら、獄中生活の後、31歳の若さで亡くなった青年教師の姿を追い、日本が戦争に突き進んでいく暗い時代を描いている。長井市出身の政治学博士・工藤美知尋さん(70)=東京都在住=が執筆した。

 秀一は山添村東荒屋にある泉流寺の長男として生まれ、中学時代から英文で日記を付けていたという。鶴岡中学(現鶴岡南高)から駒澤大東洋文学科に進み英語、ロシア語、ドイツ語、フランス語などの習得、庄内方言の研究にも打ち込んだ。卒業後、朝日地域の大泉小学校の教員となり、大平や八久和の分教場に勤務。子どもたちや地元の青年たちにローマ字を教えたことなどで検挙され、釈放後に教師は免職となった。

 その後、自宅を発行所に「文学と言語」という専門誌の発行を続け、当時の第一線の研究者らが原稿を寄せた。朝鮮や台湾などに民族語の使用を禁止した日本の言語政策を厳しく批判するなどし、特高(特別高等警察)が治安維持法違反で逮捕。服役中の秋田刑務所で肺結核を患い、自宅療養中の40年9月5日、腹膜炎を併発して亡くなった。

 工藤さんは昨年、無実の罪で戦犯に問われ絞首刑となった長井市出身の軍医大尉を追った「桑島恕一の悲劇」を刊行。これを読んだ名古屋市の僧侶で、「エスペラント語を愛し非戦を貫いた斎藤秀一師に学ぶ会」会長の別府良孝さんが、執筆を勧めた。工藤さんは地元に残る秀一の日記や警察側の資料、関係者の証言を集め、平和を願った青年教師の秀一が弾圧されていく過程を、当時の社会情勢や地方の状況と照らし合わせて追い、戦前の重苦しい時代を浮き彫りにした。

 秀一は特高の厳しい弾圧に屈しなかった。秀一が入れられた警察署の留置場の壁には、エスペラント語で「非転向」の文字が刻まれていたという。

 執筆した工藤さんは「善良な青年教師の秀一は、全くの無実にもかかわらず、数度の検挙の後有罪となり収監され、他界した。言語研究家として嘱望されていた一人の青年が、無残にも死ななければならなかった悲劇。戦後の日本の平和は、戦前と終戦直後の『暗い時代』と『混乱期』に起きたこうした悲劇の上に立って成されたことに思いを巡らせてほしい」と話している。同書は四六判208ページ、1944円(税込み)。

 地元には20年前から、秀一を顕彰する「斎藤秀一を考える会」があり、10月には米国人講師らを迎えた講演会を企画している。

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