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交易で多様な文化が融合 庄内ならでは“北前料理” 「船頭北前御膳」2月13日・日本遺産の日から提供

 北前船の交易が庄内地方にもたらした食文化を表現した「船頭北前御膳」が、2月13日の「日本遺産の日」から鶴岡市立加茂水族館レストラン「魚匠ダイニング沖海月」で提供される。飽海地域史研究会(小野寺雅昭会長)と沖海月の須田剛史料理長が連携して考案したもので、酒田の豪商・本間家が江戸時代に新造船の進水を祝って船頭らに振る舞った料理をベースに、交易で多様な文化が融合した庄内ならではの“北前料理”に仕上げた。

多様な文化の融合を表現した「船頭北前御膳」

水族館「沖海月」で

 本間家4代当主・光道(こうどう)は、ロシア船の侵入を受け幕府が庄内藩に出兵を命じたのを機に、蝦夷(えぞ)地との交易を活発にしようと1808(文化5)年、「本間船日吉丸」を新造した。酒田市史には、この祝いの席で町役人や船頭、船大工らに御膳を振る舞ったことが記されている。 北前船では敦賀(福井県)の船頭が酒田湊に入り、禅寺にまつわる文化も伝えられたとされる。同研究会は、北前船の船頭らによって酒田に伝えられた食文化を発信し、観光振興につなげる取り組みを進めている。

 船頭北前御膳は13品。メニューは本間家が振る舞った御膳からニシンと孟宗(もうそう)の煮物やマダイの刺し身、北前船でもたらされたとされる「むきそば」、禅寺の「ごま豆腐」「永平寺釜揚げそば」、江戸時代に庄内藩主酒井家が将軍家に献上したと記録が残る塩鱈(しおだら)にちなんだ「鱈汁」、貴重な交易品だった紅花を使った「鱒(ます)の紅花押(おしずし)寿司」などで構成している。

 関係者を招いた試食会が29日、同レストランで開かれ、須田料理長が「庄内には北前船が運んださまざまな文化と、大名の酒井家がもたらした武家文化が融合している。御膳には、そうした融合を表現した」と説明。小野寺会長は「どれも手が込んでいて丁寧に調理され、とてもおいしい。一品一品に北前船にまつわるストーリーがあり、料理を通じて歴史に触れてほしい」と話した。

 船頭北前御膳は3300円(税込み)で、予約が必要。通年提供する。問い合わせは沖海月=電0235(64)8356=へ。

試食会で料理を説明する須田料理長(左)

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