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奄美の伝統技術生かした双胴船建造 船大工・坪山良一さん 2月8日に進水式計画

設計図を開き、打ち合わせをする坪山良一さん(右)と山下保博さん=12日、鹿児島県奄美市名瀬知名瀬

 奄美の木造船「アイノコ」が大和村大金久の船大工・海老原万吉により考案され、約100年。奄美市名瀬知名瀬の船大工・坪山良一さん(59)の新たな挑戦が始まっている。現在建造中の船は、2隻のアイノコをつなぎ一つの船にした世界初の「アイノコ双胴船(そうどうせん)」。奄美群島内で宿泊施設「伝泊」(奄美イノベーション)を運営する建築家・山下保博さん(62)のデザインを基本に、昨年6月に建造を開始した。すでに1隻目が完成し、現在は対となる2隻目を建造中。伝統技術の継承に向け、2人の思いを乗せた船が今動き出そうとしている。

 高い直進性と速力を持つ沖縄の伝統船「サバニ」と、平らな船底で安定性に優れた奄美の伝統船「板付け(イタツケ)」。両船の長所を兼ね備えたのが「アイノコ」。大正時代より漁船として人気を博し、現在は群島各地の舟こぎ競争で使用されている。

 双胴船(カタマラン)は2隻の船体をデッキで平行につないだ船で、デッキの幅を広く取ることができ、安定性にも優れる。建造中のアイノコは1隻の大きさが全長7・5メートル、幅1・1メートルで、2隻をつないだ総幅は3・6メートル前後。動力には船外機を使用。最大乗客定員12人を予定。シュノーケリングなどの洋上アクティビティ母船として、宿泊者や地域住民を対象に湾内での体験サービスを提供する。

 FRP(繊維強化プラスチック)を用いた競技用カヌーなど、さまざまな船を手掛けてきた坪山さんも双胴船の建造は初めて。山下さんのデザインを目にした時は「やってみたい」と心が躍ったという。「舟を作っている間はもう夢中。時間も食事も忘れている」と笑顔で話す。

 双胴船の素材には宮崎県の飫肥(おび)杉を使用。工房にはすがすがしい香りが立ち込めている。打ち合わせを重ねる坪山さんと山下さんから共に語られたのは「素材の声を聴く」という言葉。アイノコは一枚の板に圧をかけ、ゆっくりと湾曲させていく。無理をすれば亀裂が入る。坪山さんは「これ以上曲がりたくない」という杉の声を聞き「もう少しだけ」と優しく説得し、丁寧に舟を仕上げていく。

 坪山さんは父親である故・坪山豊さんからアイノコの技術を受け継いだ。豊さん亡き今、造船技術を持つのは世界中で良一さんただ一人。後継者は見つかっていない。

 「建築を残し、伝統を守る」―。「伝泊」では、奄美の伝統文化を次世代に伝える取り組みを進めている。山下さんは「伝統文化の継承には、点ではなく面での支援が必要。多方向から、地域全体での支援が欠かせない」と話す。

 誰も見たことがない、世界初のアイノコ双胴船。多くの観光客や地域住民が目にし、乗船し、新たな体験を重ねることで、伝統継承への期待も広がる。船名は「伝泊Catamaran(カタマラン)」。進水式は2月8日を予定している。

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