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敏速な海難救助へ前進 羅臼で実証実験【羅臼】

 【羅臼】死者、行方不明者が26人となった昨年4月の知床観光船事故の現場反対側に当たる羅臼沖で23日、敏速な海難救助を助ける通信サービス「yobimori(よびもり)」の実証実験が行われた。スタートアップ企業とデジタル分野で課題解決を図りたい地方を結び付ける道の事業の一環。スマホのアプリと連動した4㌢四方の情報端末を介し、地域ぐるみで海難救助者を即時に発見し救助するまでの所要時間や改善点などを確認した。(五味亜希子)

 実証実験は、数十人が乗船する観光船の運航中に乗客1人が落水した想定で行い、地元の観光船2隻と羅臼漁協の指導船、その関係者ら約50人が参加した。端末中央のボタンを長押しすると事前にスマホにインストールしたアプリが警告音を鳴らし、陸上と洋上双方へ救助を求める仕組み。落水した要救助者をブイに見立て、発信から発見救助までにかかった時間は13分だった。

 実証後参加者は利点や改善点を指摘。「通知がすぐ来て分かりやすい」という一方で「要救助者に対し船首がどの向きかが分からない」「厳寒の海で転落した際とっさに端末を長押しするのは困難」といった意見もあった。

 よびもり開発者の千葉佳祐さん(27)=福岡市=はオホーツク管内紋別市出身。羅臼で漁師だった祖父が海難で行方不明となり、現在も見つかっていない経験が原点となっており「日本で一番救助が早い海を」と2018年、九州大学大学院生時代にこのシステムを開発した。現在は九州の漁業現場で実用化されている。千葉さんは「システムをもっと早く届けられていたら知床の事故も防げたかもしれない」と知床の事故に背中を押されたとし、「海に関わる家族の不安を解消することがわれわれの存在意義。今回出た改善点は即対応できるので運用につなげたい」と話していた。

落水者(手前のブイ)を発見し救助するまでに掛かる時間を計測する実証実験(午後1時40分ごろ、羅臼沖)

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