諏訪湖の御神渡り観察に感動 長野県辰野町の小松さんコーヒー差し入れ続ける
諏訪湖の観察を終えた八剱神社の総代にコーヒーを振る舞う小松さん(左から3人目)
全面結氷した諏訪湖で氷の亀裂がせり上がる御神渡り(御渡り)の出現に備え、諏訪湖の観察を続ける八剱神社(長野県諏訪市小和田)の宮司や総代たちに、いれたてのコーヒーを届ける人がいる。料理教室を主宰するクリエイターの小松香織里さん(59)=辰野町=で、自宅から有賀峠を越えてほぼ毎朝通い、厳寒に耐えて伝統を守る人々の心と体を温めている。
小松さんは昨年1月、絵本「諏訪の龍神さま」の挿絵を描いたグラフィックデザイナー小平陽子さんの誘いで初めて観察を見学。御神渡りが前回出現した2018年にも諏訪湖を訪れたが、御神渡り判定のために観察を続ける宮司や総代の姿を知って感動し、毎日通うようになった。
コーヒーの差し入れは今年から始めた。毎朝5時20分に起床し、約20杯分のコーヒーをいれて持参する。総代たちが気温や水温を測定し、諏訪湖の観察を終えると、保温ポットのコーヒーを紙コップに注ぎ、「お疲れさまです」などと声を掛けて手渡す。3種類の豆を交代で使っていて、立ち上る香りや味の違いを楽しんでいると、程なくして八ケ岳の裾野から日が昇る。
宮坂清宮司(72)は「いろんな人が、いろんな形で関わっていただけることはありがたい。一昨年から観察が終わった後はサロンのようになっています。小松さんのコーヒーが温かみを与えてくれた。自然と人のぬくもりはご褒美ですね」と笑顔を見せた。
小松さんは横浜市出身。獣医師洋太郎さん(60)との結婚を機に辰野町に移住して33年がたつ。「どんなに寒くても皆さん楽しそう。生まれたての太陽を一緒に感じられることが幸せ。諏訪には龍神様がいると感じます。神様が渡る道(御神渡り)を今年は見たいですね」と話している。
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