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やんばる・西表の自然を学ぶ ヤマネコ博士、伊澤雅子さん講演 奄美博物館

伊澤さん(右奥)の解説に耳を傾ける参加者ら=19日、鹿児島県奄美市名瀬

 「沖縄の世界自然遺産の島やんばると西表島」をテーマにした講演会が19日、鹿児島県奄美市名瀬の奄美博物館であった。琉球大学名誉教授で北九州市立自然史・歴史博物館館長の伊澤雅子さんが講師を務め、琉球弧の地史や湿潤亜熱帯気候がもたらす生物の多様性、奄美とも共通する沖縄での自然保護対策などについて、分かりやすく解説した。

 奄美群島日本復帰70周年を記念し開催。40人が訪れた。

 伊澤さんは動物生態学を専門に、ネコ科や琉球諸島の生き物、希少種保護を研究。西表島だけに生息する国指定特別天然記念物のイリオモテヤマネコの研究は40年以上にわたる。

 講演では、琉球諸島の動物相の特徴として▽多様性・固有性が高い▽北、中、南琉球で生息する種が異なる▽中・大型や肉食の哺乳類が少ない―ことなどを説明。豊かな水資源や森林をもたらす湿潤亜熱帯気候や、琉球弧の島々が分断と陸続を繰り返したことが生物の多様性を生み出したと解説した。

 肉食のイリオモテヤマネコにとって「西表島は生息に適さない小島。水辺で繁殖したカエルやヘビを餌に、世界で最も食性の幅が広いネコ科となり生き残ったのでは」と考察。「それぞれの動物が『歴史』を背負っている」と話した。

 やんばる、西表の生物保護を取り巻く課題としては▽交通事故▽外来種侵入▽密猟▽生息環境の縮小、悪化や分断▽観光によるオーバーユース―を指摘。車道下に動物用の抜け道を作る「アンダーパス」設置や観光ガイドラインの設定など保護対策を紹介。「対象種や島の自然、人の状況により対策は異なる。情報を集めることが大切」と強調した。

 親子で参加した金久中の生徒は「奄美こども環境調査隊」の一人。「西表島での保護活動を知ることができてよかった。将来は学芸員になりたい」と話した。

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