高密度に化石含む地層発見 スピノサウルスの歯も

広川町の地層で発見された恐竜の化石を説明する北九州市立自然史・歴史博物館の御前明洋学芸員(20日、和歌山県海南市で)
和歌山県立自然博物館(海南市)は20日、広川町山本の白木海岸で、恐竜など脊椎動物の化石が高密度に含まれる地層を発見したと発表した。約1億3千年前の白亜紀前期の黒色泥岩層。この地層からスピノサウルス類の歯など、恐竜の化石4点を含む19点の脊椎動物の化石を確認した。
有田市出身で北九州市立自然史・歴史博物館の御前明洋学芸員が昨年3月23日、白木海岸の地層で、県内初となるワニ類の化石を発見したことがきっかけ。
陸上の脊椎動物が発見されたことにより、恐竜の化石も見つかりやすいと推測。その後、県立自然博物館や国立科学博物館(東京都)も参加し、共同で調査することになった。5月と9月に、恐竜など脊椎動物の化石を多数発見した。

恐竜スピノサウルス類の歯の化石
恐竜の化石4点のうち、一つはスピノサウルス類の歯で、県内2例目。恐竜では珍しく、水中で泳ぐことが得意で、主に魚を捕食していたと考えられるという。もう一つはイグアノドン類の歯で、県内で初の発見となった。このほか、肉食恐竜の歯の跡2点、カメの甲羅片6点、淡水・汽水生のサメの歯2点、硬く厚いうろこを持つ魚「硬鱗魚」のうろこ2点なども発見した。
県内ではこれまで、湯浅町で2点の恐竜の化石(うち1点はスピノサウルス類)が発見されていたが、いずれも転がっていた石だったため、追加調査が困難だった。今回の地層の発見により、県産の恐竜の化石産出数が飛躍的に増えることが期待されるという。
調査に参加した国立科学博物館の對比地孝亘研究主幹は「特にスピノサウルスの仲間の歯の化石は興奮した。生態が謎に包まれている恐竜。地層が分かっているので、生きていた環境を推測できる」と期待した。
今回発見した化石は、31日~3月31日に自然博物館に展示する。
関連記事
防砂ネットを撤去 橋杭海水浴場
南紀串本観光協会は27日、和歌山県串本町くじの川の橋杭海水浴場に設置していた防砂ネットを撤去した。海水浴場では4月からビーチハウスの営業が始まり、イベントの開催も計画している。 ネットは、冬...
鶴岡市・酒田市・庄内町 水道事業を統合 広域水道企業団設立目指す
鶴岡、酒田、庄内の3市町の水道事業を統合し広域水道企業団の設立を目指す「庄内広域水道事業統合準備協議会」の設立総会が28日、酒田市役所で開かれた。3市町の水道事業を水平統合した企業団による事業を2026...
苫小牧の本田青果店 笑顔で別れ 「朝市」から始まり半世紀超 31日に幕
苫小牧市港町の「海の駅ぷらっとみなと市場」で、前身の公設食品卸売センター時代を含めて長年営業してきた「本田青果店」が31日、閉店する。店主の本田勅子さん(81)は、昭和の中ごろまで苫小牧駅前にあっ...
ばんえい十勝 名馬五頭 引退セレモニー
ばんえい十勝は19、20の両日、帯広競馬場で今年度限りで引退する5頭の引退セレモニーを開いた。5頭は余生を繁殖馬、種牡馬として過ごす。 引退するのは、ブチオ(牡10、今井茂雅調教師)、ア...