ドングリ5千個以上集まる 林業会社の森保全企画
回収ボックスに続々と集まっているドングリ(和歌山県田辺市新屋敷町で)
ドングリを拾って熊野の森を保全するプロジェクトの「応援団」が増えている。和歌山県田辺市内3カ所にある回収ボックスには、1カ月半で5千個以上のドングリが集まった。さらに3カ所に回収ボックスを設置し、協力の輪を広める。
林業ベンチャー「ソマノベース」(田辺市新屋敷町)が手がけるプロジェクト「三度(たびたび)」は、地域住民や企業、観光客が熊野古道や森林を散策して集めたドングリを苗木に育て、植林する仕組み。
全国で土砂災害が相次ぐ中、森林の役割が注目されている。植林(再造林)は土砂災害を防ぐ解決の一つになるという。プロジェクトには、ドングリ拾いをきっかけに、森林保全に「自分事」として関わってもらう狙いがある。
企業の社会活動として参加した大阪の会社員が、休日に私的にドングリ拾いに来るようになったり、地元で自然学習会を兼ねて参加したりといった動きもあるという。
回収ボックスは11月上旬に「古道歩きの里 ちかつゆ」(中辺路町近露)▽「道の駅 紀州備長炭記念公園」(秋津川)▽「とがのき茶屋」(中辺路町野中)の3カ所に設置した。
ソマノベースでは回収ボックス隣に社員が協力への感謝の言葉や活動を紹介するサンクスカードを設置し、「森の応援団」との交流を図っている。
奥川季花社長は「想像以上の反響があった。会社に直接ドングリを届けてくれた人もいる。楽しみながら森を守る循環を定着させたい」と話している。
回収ボックスは今後、新庄総合公園(たきない町)▽滝尻王子(中辺路町栗栖川)▽「世界遺産 熊野本宮館」(本宮町本宮)にも設置する。設置期間は来年1月15日まで。
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